日本人の旅行トレンド、海外旅行はシニアや学生が大きく回復、インバウンドはネット系が大幅増に ―日本旅行業協会

日本旅行業協会(JATA)の旅行市場動向調査(2018年3月期)で、2018年1月~3月期の海外旅行の業況感は、前年7~9月以降継続して「-16」で横ばいに。3カ月後は6ポイント上昇で「-10」を見込む。

この調査は日本旅行業協会が会員各社と中連協会員など588社を対象に四半期毎にネットで調査しているもの。今回の調査は297社からの回答をまとめた。質問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」という評価を求め、「良い」の割合と「悪い」の割合の差分を算出して景気動向指数(DI:ディフュージョン・インデックス)に加工。DIの範囲は「全て良い」が100、「全て悪い」が-100となる。

国内旅行DIは前期(2017年10~12月)と比較して11ポイント減の「-15」。訪日旅行DIも前期より9ポイント減となったものの、プラス遷移(+5)で継続。3ヵ月後には、国内旅行は2ポイント減の「-5」、訪日旅行は2ポイント増の「+7」となる見通し。

JATA:報道資料より

海外旅行:ホールセラーは19ポイント増の大幅回復傾向、韓国や欧州は低位ながら上昇

業態別にみると、今期の海外旅行ホールセラーは19ポイント増の「-25」、3ヵ月後には25ポイント増の「0」となる見通し。一方、ネット系旅行会社の今期は65ポイント減の「-40」に大きく落ち込み、3ヵ月後は20ポイント増の「-20」に回復する見通し。

方面別を見ると、回復傾向が強いのは韓国(21ポイント増の-47)、ミクロネシア(13ポイント増の-45)、欧州(12ポイント増の-17)。いずれも低位ながら大きく上昇した。米国は2ポイント減の-27となった。

客層別では、シニア(11ポイント増の-1)、学生(24ポイント増の-21)が大きく上昇。そのほかファミリー(9ポイント増の-21)、商用・視察(7ポイント増の-1)、一人旅(6ポイント増の-19)なども回復傾向に。反面、ハネムーンは3ポイント減の-36と緩やかに下落。3ヵ月後はハネムーンが10ポイント増と大幅回復する一方、学生は18ポイント減と大きく下落する見通し。

訪日旅行:ネット系旅行会社が大幅増、団体・MICEが減少傾向

業態別では、ネット系旅行会社が67ポイント増の67と大幅増。3カ月後は34ポイント減の+33を見込む。方面別では東北(14ポイント増の-22)、甲信越・北陸(12ポイント増の-7)、ゴールデンルート(7ポイント増の+11)が増加傾向。3カ月後には山陽・山陰・四国(12ポイント増の-14)、沖縄(9ポイント増の+7)、首都圏(TDR含む、6ポイント増の+20)となる見通し。

客層別では、FITが3ポイント減の+26、団体が11ポイント減の-12、MICEは25ポイント減の-30となり、全体的に下降傾向。3カ月後にはMICEが6ポイント増、団体が2ポイント増で回復傾向となる一方、FITは3ポイント増で下降の見通し。地域別では、今期は香港と中国が上昇、東南アジアは現状維持。欧州、北米、南米、韓国、台湾は減少した。3ヵ月後には、北米、欧州、豪州は増加傾向に転じる一方、中国、香港は減少。韓国や南米は微増、台湾や東南アジアはほぼ横ばいを見込む。

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