医療機関の外国人患者受入れ体制整備支援事業を手がける医療シンクタンクのジェイ・アイ・ジー・エイチ(JIGH)は、総合保証サービスを展開するイントラストとの連携で、外国人患者に対する「医療費未払い発生防止プログラム」を2018年5月から医療機関に向けに提供する。
このプログラムでは、外国人患者の支払いを促進するための多言語対応Webアプリケーションの導入などによって外国人患者からの円滑な医療費支払いを支援するとともに、万が一の医療費未払い発生時には保証限度額を上限として未払金を立替払いする保証サービスを実施する。
両社は今年1月から「外国人患者の医療費未払い発生防止にかかる実証実験」を医療機関の協力のもと実施。その実績と知見をもとに外国人患者の医療費未払いを防止するためのサービスを開発してきた。
厚生労働省の調査によると、外国人患者を受け入れたことのある医療機関のうち約3割が医療費未払いの経験がある実態が明らかになっている。その背景には、外国人患者は、日本と海外の医療機関の制度や文化・習慣の違いなどによって、本人に支払い能力や意思がある場合でも支払い困難な状況に陥りがちで、特に日本の公的保険に加入していない短期滞在の訪日外国人の場合、自費診療のため未払い額が大きくなることが挙げられるという。
こうした状況を受け、2018年3月には自民党に「外国人観光客に対する医療プロジェクトチーム」が設置。政府内にも訪日外国人旅行者の医療費未払い等のトラブル対策について協議するワーキンググループを新設する方針が固まっている。