公正取引委員会がまとめた「消費者向けeコマースの取引実態」調査によると、2017年の消費者向けeコマース市場全体の規模は、16兆5054億円。2012年(9兆5130億円)と比較すると、5年間で73.5%拡大した。
小売業者が出店先としてオンラインモールを利用する理由をみると、「ユーザー(消費者)の数が多い」が77%で最多。そのほか、「利用料金が安い」「販売サポート体制が整っている」(いずれも26%)が上位となった。
一方、消費者がオンラインモールで購入する理由は「価格が安い」(67%)を筆頭に、「取扱商品が多い」(57%)、「会員サービス(ポイント付与、割引等)が充実している」(35%)の順。この結果より、事業者と消費者の取引では、事業者と消費者による双方向での相乗効果が働いている様子が明らかになった。
なお、24%の事業者が、メーカーから小売価格や販売価格に関する指導・要請を受けたことがあると回答。また、27%のメーカーが、小売業者(流通業者)から販売価格などについて要請を受けたことがあると回答した。さらに、メーカーによるオンライン販売制限内容としては、「オンラインモールでの販売禁止」(50%)がトップで、「オンライン販売はすべて禁止」(39%)、「オンライン販売サイトのデザイン(サイトの外観など)を指定」(28%)、「実店舗を有しない場合には、オンライン販売禁止」(19%)といったケースもみられた。
この調査は、小売業者848名を含む4339名の事業者へのアンケートと、のべ117社へのヒアリング調査、オンラインモールで月に1回以上商品を購入している一般消費者2000名を対象とするアンケートをもとにとりまとめた。調査機関は2018年1月から11月まで。