2019年、今年の欧州文化首都にはイタリア・マテーラとブルガリアのプロヴディフが選出されている。欧州文化首都とは、EU(欧州連合)が加盟国の中から集中的に文化関連イベントを実施する都市を指名するもの。現地では、1年を通して各種のイベントが開催されるが、イタリア・マテーラでは日本のチームラボがデジタルアート分野で参画する計画がある。このほど、来日したイタリア・バジリカータ州から関係者らが、旅行業界・メディア向けのプレゼンテーションで明らかにした。
マテーラは、世界遺産に登録された歴史的市街地を持つ都市。岩に掘られた洞窟住居の景観で知られ、南イタリア観光のハイライトとしても知られている。そんな街並みの中で行われる文化イベントは、特別演目によるオペラ、ルネッサンス時代を紹介する展覧会、町の成り立ちをわかりやすく紹介するオープンデザインスクールなど多種多様だ。マテーラでは、これら1年を通したイベントすべてに参加できるパスポートを19ユーロで販売する。
チームラボが参画する予定のデジタルイベントについては、現在準備中で詳細は後日発表になるという。昨年、日本で行われた参加アーティストらの集いでデジタルやアートに重点を置くマテーラ側と意気投合し、プロジェクト化が決まった。
来日したメンバーは、今回の欧州文化首都を契機に、日本人旅行者の増加に期待。プレゼンテーションの冒頭で挨拶にたった、ジョルジョ・スタラーチェ駐日イタリア大使も「多くの日本人にマテーラや周辺地域を観光してもらい、美しい風景を見てもらいたい」と期待を寄せた。マテーラ・バジリカータ財団のサルバトーレ・アトゥーチェ会長は「マテーラは歴史的建造物だけでなく、住民の人間性も魅力。マテーラの住人らのホスピタリティに触れてもらいたい」とアピールした。