ANAホールディングスが発表した2019年3月期決算(2018年4月1日~2019年3月31日)によると、航空事業を中心に増収となり、売上高が4.4%増の2兆583億円、営業利益は0.3%増の1650億円となりいずれも過去最高。ただし、整備部品の除却増加などで経常利益は2.5%減の1566億円。前期にピーチ・アビエーションの連結子会社化による特別利益などがあったため、当期純利益は23.0%減の1107億円となった。
国際線:ビジネス需要が好調、旅客収入は9.1%増の6515億円
国際線旅客は日本発のビジネスクラスが好調なのに加え、訪日旅行需要を取り込み、旅客数・収入ともに前年同期を上回った。
路線ネットワークでは、6月から羽田/バンコク線を1日3便へ増便したほか、10月からアリタリアとのコードシェア便の運航を開始。2019年2月から羽田/ウィーン線を新規開設するなどネットワークを拡充。営業・サービス面ではマイルを利用した特典航空券やエコノミークラスからのプレミアムエコノミーへのアップグレード対応、ビジネスクラスの機内食事前予約サービスなどを開始。これらの結果、国際線旅客収入は9.1%増の6515億円で541億円の増収。旅客数は3.6%増の1009万3000人。供給を示す座席キロは2.5%増と前年を上回り、需要を示す旅客キロも3.3%増に拡大した。利用率は前年同期を0.6ポイント上回り77.0%だった。
国内線:訪日客の国内移動需要が好調、旅客収入は1%増の6966億円
一方、国内線旅客は、上期に発生した複数の自然災害やロールス・ロイス社製エンジンの点検整備による欠航の影響があったものの、訪日旅客の国内移動需要やビジネス需要の取り込みで旅客数・収入とも増加。夏期ダイヤからの路線拡充などが功を奏して旅客収入は1.0%増の6966億円に。旅客数は0.4%増の4432万5000人。座席キロは0.1%増、旅客キロは1.1%増、利用率は0.7ポイント増の69.6%だった。
なお、2020年3月期は、売上高が2兆1500億円に増加、営業利益は当年並みの1650億円。経常利益は1600億円、当期純利益は1080億円を見込む。