首里城火災で観光地が対応、修学旅行はトップシーズン、沖縄観光コンベンションビューローは緊急会議開催へ

(写真:AP通信)

2019年10月31日、世界遺産「首里城跡」に復元された首里城正殿、北殿、南殿などが焼失した。これを受け、沖縄県の観光プロモーションを担う沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)では現在、観光客と観光事業者に向けた正確な情報発信とそのための情報把握を優先して対応している

現在、首里城公園は臨時休園となっているほか、観光散策「那覇まちま~い」の「首里城物語りコース」や、イベント「琉球王朝祭り首里」の開催も中止となった。「首里城祭り」も中止の可能性があるという。

こうした観光への影響について、OCVBでは観光情報サイト「おきなわ物語」やSNSをはじめとする公式チャネルで、火災の影響による同公園及び、関連する観光やイベントの休止情報を随時更新。日本語はもちろん、訪日外国人向けの多言語サイトでも同時展開している。

また、団体旅行に関しては、特にトップシーズンで来訪の多い修学旅行に対応。首里城は修学旅行でも筆頭の訪問地であるため、滞在中の学校数を把握すると同時に、学校や旅行会社にヒヤリングを行ないながら、振替先を提案していく。首里城のような沖縄の歴史と文化に触れられる訪問地としては、識名園や玉陵などを勧めていく考えだ。

さらに今後の対応に向け、11月1日には県内の観光関係の事業者を対象にした緊急対策会議を開催。参加者と現状を共有しつつ、今後の対策について具体的な協議を行なう。

首里城公園の入園者数は2018年度で280.1万人。同12月には開園27年目で累計6000万人に達した。入園者のうち37.0%が外国人の訪問で、訪日外国人にも人気観光地となっている(出典:内閣府沖縄総合事務局 国営沖縄記念公園事務所)。

OCVBによると、首里城は県民のシンボルでもあるとともに、国内外への観光プロモーションでもシンボル的な存在。現在は上記の通り、情報把握と発信を優先対応しているため、プロモーション活動に関して、火災を踏まえた計画の変更などには手を付けていない。また、今回の火災による今後の観光客数への影響については、現段階では見えてないが、沖縄観光は「総合力」といわれていることから一施設によって大きな影響が出るとは考えにくいと見ている。

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