TOTOの調査によると、訪日ムスリム旅行者の8割以上が温水洗浄便座を「あれば必ず使う」と回答していることが明らかになった。ムスリムは排泄後に排泄部位を水で洗う規範があり、温水洗浄便座がムスリムの生活習慣のニーズに合い、大きな意味を持っていることがうかがえる。
調査は2019年3・8月に都内観光地で街頭対面アンケート調査を実施。マレーシアをはじめ19カ国・地域から訪日ムスリム旅行者138人の回答を得た。これによると、95%が温水洗浄便座を利用したことがあり、82%が「あれば必ず使う」、13%が「たまに使う」と回答。認知度はほぼ全員の99%に上った。
自国ではトイレ内のハンドシャワーを使って洗うのが一般的だが、日本の公共トイレでは「温水洗浄便座を使う」が80%、「ペットボトルを持ち歩く」は22%で、「洗うのを我慢する」という人はいなかった。
また、「今後好んで使いたい公共トイレ」として宿泊施設や公共交通機関が上位。理由は清潔性と温水洗浄便座付き洋式トイレで、「今後二度と使いたくない公共トイレ」の理由も同じだった。
日本のトイレで困っていることについては、「用を足すのにいちいちホテルに戻っている。水を使ってしっかりと洗いたいのに、その施設が見つからない」、「和式トイレが嫌だ」という声が具体的に上がっており、TOTOは「トイレの環境整備は訪日外国人を受け入れる課題のひとつ。きれいなトイレの普及に努めたい」などとコメントしている。