トリップアドバイザー代表取締役の牧野友衛氏が、2020年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。
牧野氏は創業20周年を迎える2020年、消費者の利用環境やニーズが変化する中で改めてサービスの位置づけを明確にし、訪問者数が月間4.6億人の世界で最も利用される旅行サービスとして改善に取り組む考えを示した。また、日本では訪日外国人の利用状況から傾向を読み解いた第2弾のレポート発行や国内利用者の増加に取り組み、インバウンドと国内旅行者の双方を対象にしたBtoBのマーケティングツールとして利用促進も図る方針も述べている。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
2020年 年頭所感
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
2019年は東京オリンピックを翌年に控え、世界的なスポーツイベントであるラグビーワールドカップが開催されました。いよいよ本格的にインバウンドの取り組みが開始されるにあたり、インバウンドでのプロモーションツールとしてトリップアドバイザーを活用いただくため、訪日外国人の傾向をサービスの利用状況から読み解いた「インバウンドレポート」を初めて提供し、多くの反響を頂きました。また観光施設、レストラン、ホテルに活用いただく施設オーナー登録の促進も行い、昨年比2倍のペースで登録数を伸ばすことが出来ました。
また、観光消費額を伸ばす施策の一つとしての体験・アクティビティ販売の強化も行いました。日本の観光施設や体験事業者の方々が、弊社の販売プラットフォームであるViatorやTripAdvisor Experiencesを通じて販売できるように、日本語対応や営業チームの強化を行い、2018年に買収したオンラインの予約管理ツール「Bokun」を国内で紹介するセミナーも実施しました。
さらに、日本の国内ユーザーの利用増の取り組みとして、国内の掲載施設数の増加、掲載情報の充実化を行い、全体的なユーザビリティを改善することで国内外の旅行の際に使いやすいサービスの提供につとめました。
グローバルとしては、ホテル以外のビジネスの強化として観光体験事業に加えレストラン事業への投資を積極的に行い、その一つとしてミシュランの持つオンライン予約サイト「Bookatable」の事業買収と提携を発表しました。これにより、レストランのオンライン予約事業において計22カ国で予約が可能になります。この他、メニュー管理会社「SinglePlatform」を買収し、トリップアドバイザーに掲載されている500万軒以上のレストランはGoogleやFacebookなどの主要な検索サイト上に掲載されるメニュー、店舗名、営業時間、連絡先などの情報を一元管理できるようになります。また、これまで行っていた中国での事業展開にTrip.comグループが参画します。今回の提携を通じて、今後トリップアドバイザーの口コミや評価はTrip.comグループの持つCtripをはじめとしたサービスにも掲載されることになり、施設に投稿された口コミがより一層中国の旅行者にも届くようになります。
2020年、トリップアドバイザーは創業20周年を迎えます。世界49の国と地域でサービスを提供し、月間4.6億の訪問者数をもつ世界で最も利用される旅行サービスになりました。消費者の利用環境やニーズが変化していく中で、改めてトリップアドバイザーのサービスの位置づけを明確にし、引き続き世界で利用される旅行サービスとして改善につとめて参ります。
日本では、いよいよ東京オリンピックの開催で世界から多くの旅行者を迎えるにあたり、まずは本年3月に第2回目のインバウンドレポートの発表を予定しています。施設オーナーとして無料でページの管理と運用ができるオーナー登録のセミナーの開催も行う予定です。そして引き続き、国内利用者の増加のための取り組みを行い、観光施設、レストラン、ホテルの事業者の方々にインバウンド、国内旅行者の両方に届けることができる、ワンストップのオンラインのマーケティングツールとしてご利用いただけるように取り組んで参ります。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
トリップアドバイザー株式会社
代表取締役 牧野友衛