リクルートじゃらんリサーチセンターは、東京観光財団(TCVB)とマーケティング観点における「持続可能な観光」の共同研究を実施した。欧米豪のインバウンド旅行者が旅行計画を立てるにあたって、サステナブルな旅行体験などがどれほど誘客のフックになるのかを検証。欧米豪のミドル富裕層を中心に顧客を持つ旅行会社向けに、持続可能な観光の国際基準であるGSTC(Global Sustainable Tourism Council)基準をベースした「東京サステナブル情報マニュアル」を作成した。
このマニュアルは、経済、文化、環境の誘客促進につながる動機付けに着目し、インバウンド旅行者のニーズや旅行会社が販売する商流に合わせて一気通貫でプロモーションできる情報として整理したもの。「Slow Tokyo」「Rural Tokyo」「Made in Tokyo」「Eco Tokyo」「Boutique Hotels」「Responsible Hotels」の6テーマで構成されている。
調査では、「東京サステナブル情報マニュアル」を提示した海外旅行会社14社のうち11社が5段階評価で「非常に満足」、3社が「満足」回答。また、12社が東京のイメージが変わったと答えた。
また、「Slow Tokyo」では高円寺、谷中、「Rural Tokyo」では御岳、青梅、「Made in Tokyo」では「その土地発祥の食文化」「Responsible Restaurants」の6つのコンテンツで8割を超える高い意向度を獲得した。
このほか、情報マニュアルの中でも特に旅程に入れてもらいやすい要素を調査したところ、「ビジョン」「人間味」「地域コミュニティー」「地域への貢献」「歴史ストーリー」「具体事例」「世界基準の認証制度」の7つのポイントが挙げられたことから、じゃらんリサーチセンターでは、これをベースに東京以外の事業者も活用できる「サステナブル情報整備指南書」も作成している。