キャセイパシフィック航空は、2024年10月28日からの冬ダイヤから名古屋/香港線で午前の直行便を週3便追加する。また、札幌/香港線についても2025年2月19日まで季節運航を追加し、1日3便に増便する。
同航空北東アジア地区総支配人のネルソン・チン氏によると、香港からのインバウンド旅客はほぼコロナ前の水準に回復。全体の90%がレジャー客となっていることから、増便によって新たなインバウンド需要の取り込みを強化していきたい考えだ。
一方、日本から出発する旅行者は依然としてコロナ前の50%にとどまっており、その内訳はレジャー客が80%、ビジネス客が20%だという。
同航空は、香港からは80以上の都市に就航。サウジアラビアのリヤドとオーストラリアのケアンズの路線を再開する。また、チン氏は「来年初旬には、新たに10都市に就航する」ことも明らかにした。
また、日本路線での香港からの乗り継ぎ需要については、季節にもよるが、全体の30から40%。チン氏は、特に日本から欧州の都市への乗り継ぎについて触れた。
現状、日本/欧州路線はロシア上空の飛行制限から長時間フライトになり、料金も高くなっていることから、同航空の利点を強調。「我々は、欧州への幅広いネットワークを持っている。実際に過去数年、香港経由でロンドン、パリ、ミラノなどの欧州の都市に飛ぶ需要は増えている」と話した。
世界有数のサービスブランドに向けて投資拡大
チン氏は、顧客体験の向上および香港の国際航空ハブとしての地位強化に向けた戦略の一環として、今後7年間で1000億香港ドル(約1.9兆円)以上を投資することにつても触れ、「世界有数のサービスブランドになるというビジョンのもと、サービスの質をさらに向上させる」と強調した。
さらに、顧客体験の向上について、ビジネスクラス利用者およびダイヤモンド会員を対象とした機内Wi-Fiの無料提供も段階的に実施し、ダイニングや機内エンターテイメントに継続的な投資を行っていくことも付け加えた。
このほか、新たに次世代航空機としてA330-900型機30機を2028年から随時受領。チン氏は、ボーイング777-300ERとともに、「日本路線で重要な機材になる」と位置付けた。
日本就航65周年記念イベント、新ビジネスクラスをアピール
キャセイパシフィック航空は、9月13日から3日間、日本就航65周年を記念し、一般消費者向けイベント「空のスイートルームへ、ようこそ」を東京ミッドタウン・アナトリウムで開催した。
会場には、今年、同航空のボーイング777-300ERに導入する新ビジネスクラス「アリア・スイート」の雰囲気がイマーシブに体験できるミニシアターや会員限定ラウンジを体験できるコーナーが用意されたほか、キャビンアテンダントの歴代ユニフォームも展示。
入場時に渡されるスペシャルパスポートに4つのコーナーのスタンプを押すと、同航空のオリジナルグッズが当たるガチャに参加できるスタンプラリーなども行われた。