山梨県「富士山登山鉄道構想」、次世代路面電車の新設で、40年運用で経済効果1.56兆円、雇用効果12万人と試算

山梨県は、富士山登山鉄道構想の事業化検討に関する調査結果を公表した。これは、県が進める富士山登山鉄道構想の事業化に関する「前提条件の整理」「事業スキームの検討」「事業収支の分析」などについて、国土交通省の補助金を受けて調査を実施したもの。

山梨県は、世界遺産である富士山の保全と持続可能な高付加価値観光を両立するため令和2年度(2020年度)に富士山登山鉄道構想策定。構想では既存道路を活用し、環境への影響が少ない富士山有料道路上にLRT(次世代路面電車)を敷設する案を想定している。当初は民設民営を想定していたが、現在は官民連携での実施を検討しているところだ。登山鉄道事業の採算性を確保する観点で、山麓駅・五合目駅における周辺開発事業による収益還元を一体的に事業化することで実現性と継続性のある事業を目指している。

今回の調査結果によると、運営方式については、 検討されている4つの方式のうち「鉄道・駅舎は県が、車両・付帯設備は民間が整備・所有し、民間が独立採算で運営する」方式が官民のリスク分担として最もバランスが取れていることがわかった。

この方式の場合、40年間運用で、年間利用者数300万人、設備投資額合計1486億円の想定で、県も民間も採算ベースに乗り、利用者数が50%減少した場合でも、あるいは設備投資が50%増加した場合でも黒字を維持することが可能になる。

また、鉄道・周辺事業一体での経済波及効果については、 40年運用の累計で直接効果が約1.1兆円、間接効果が約4660億円で、合計約1.56兆円と試算された。 雇用効果については、40年運用で延べ12万273人(年間3007人)となった。 

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