
世界大手OTAトリップ・ドットコム(Trip.com)が、2025年の旅行トレンドに関するレポートを発表した。世界の旅行者の価値観の変化に伴い、日本の旅行者についても、食体験、映画やドラマを切り口としたエンターテインメント、テクノロジーの活用が重要になってくるなどと分析している。
日本ではホテルダイニングが人気に
同社のデータによると、2024年以降、世界ユーザーの6割が「食」に関連した検索をしており、アジア太平洋地域ではフードフェスティバル(62%)、ホテルダイニング(60%)、ストリートフードツアー(57%)への注目が高まっている。日本ではホテルダイニングが最も人気で、25~34歳の68%が関心を示している。テーマ性のあるポップアップレストランやインタラクティブな食イベントの人気も高まっている。
また、映画やテレビ番組の影響で旅行先を決める人は全体の70%。日本では18~24歳の若年層が最もメディアの影響を受けやすく、5割以上が旅行のインスピレーションとして挙げている。一方で55歳以上では20%に低下しており、テレビ東京「孤独のグルメ」などの人気をあげながら、同社は「若年層を主要ターゲットとしつつ、65歳以上の層にも訴求することでより幅広い旅行者にアプローチできる可能性がある」などとコメントしている。
TikTokが若年層の旅先選びに大きな影響
デジタル時代の旅行スタイルとして、ソーシャルメディアが旅行計画に与える影響もますます拡大。特に、TikTokで話題になった旅行先は、45%の旅行者の選択に影響を与えており、東京と京都はオンライン上で最も注目度の高い訪問先にランクインしているという。一般的な観光地よりも、SNSを通じて発見したユニークな文化体験や思い出に残る旅先を求める傾向が強まっている。
日本では、ソーシャルメディアのトレンドを参考に旅行予約をする傾向が年代別に異なり、18~24歳が60%、25~34歳が50%、55歳以上が10~15%という結果だった。
また、旅行業界では持続可能性とパーソナライズがますます重要視され、同社の調査によると、8割が「AIが旅行計画に大きな影響を与えている」と回答。日本では予約アプリやクチコミサイトの利用率が高く、特に若年層はAIアシスタントやARツールを積極的に活用している。
トリップ・ドットコムは、AIを活用した旅行支援ツールを提供し、ユーザーの関心や検索履歴に基づくリアルタイム情報を提供するなど、この分野の開発も進んでいる。