訪日外国人客の日本の食に対する満足度が高い評価が得られている一方で、訪日客と飲食店の認識にギャップがあることが、金沢大学香坂研究室と日本政策投資銀行北陸支店の調査で分かった。調査は金沢市の飲食店33軒と訪日客192名に対面式のアンケートで実施したもの。
調査では、飲食店の84.8%が「積極的に外国人客を呼び込もうとしているか」の質問に「いいえ」と回答し、その57.6%外国語の不安を理由にあげた。しかし、訪日客は店員との意思疎通について「満足」(18.0%)、「やや満足」(30.9%)、「普通」(34.5%)と8割以上が不満を感じておらず、調査では「飲食店は自ら“語学の壁”を設けて損をしている」としている。
一方、メニューの外国語表記に対しては訪日客の5割以上が「重視する」「やや重視する」と回答。しかし、訪日客の外国語メニューへの評価は「満足」と「やや満足」が4割に満たなかった。
このほか、料理の価格については訪日客の6割が「満足」「やや満足」と回答。一度の食事の金額は1人あたり平均1862円だった。また、味に対しては「満足」(60.0%)、店員の対応、心配りは「満足」(78.2%)と高く、「やや満足」をいれるといずれも9割を超える。
調査では、従来の「味とおもてなし」が訪日客に通用するとし、飲食店には外国語表記のさらなる充実や、言葉を補うための絵や写真の使用などを図りつつ、自信を持って積極的に訪日客を受け入れることが重要だとしている。