ジェイティービー(JTB)の「消費税引き上げと円安が旅行に与える影響についての調査」によると、円安については海外旅行の経験が多い人ほど影響を感じる傾向が強いことがわかった。円相場は昨年末以降、円安傾向に転じ、2013年3月時点で1ドル95円前後となった。
昨年の秋以降の円安の影響について、「特に変化はない」は全体平均で68.0%だが、過去3年間の海外旅行経験1回の人は59.8%、3回は44.6%、6回以上は44.4%と、回数が多いほど円安の影響を気にしているようだ。さらに、次の海外旅行に影響するもの(複数回答)でも「訪問する国の通貨の為替レート」が49.0%(617人)となった。
この回答者に現在よりも円安になった場合の影響を聞いたところ、「海外旅行の回数を減らす」(37.3%)、「1回の海外旅行で使う費用を減らす」(39.7%)と、影響が強まる傾向がうかがえた。「回数を減らす」は旅行経験1回が44.4%、旅行経験3回が36.2%と3回以下は3割を超えるが、旅行経験4~5回は16.7%、6回以下は22.0%と低い。一方、旅行経験4~5回は「海外旅行で使う費用を減らす」が50.0%、経験6回以上は「ショッピングや土産の費用を減らす」が36.6%と高く、回数を減らすよりも費用を抑える傾向が強いようだ。
なお、適切な為替レートについては、「1ドル100円以上に上がるべき」(28.8%)、「現在の1ドル=95円くらいが適切」(25.6%)が多く、「1ドル=80円台に戻るべき」(9.1%)は1割に満たなかった。JTBでは調査結果にあわせ、2012年に次いで海外旅行者数が多かった2000年が現在よりも円安で、米ドル為替レートは110円を超えていたことも指摘した。
消費増税と円安の影響(1)-増税後も旅行を希望、JTB調査