「特定支出」の範囲が広がり、英会話スクール代も経費に!?

旅行・観光ビジネスで役立つ税知識 <第1回>

サラリーマンの「経費」

2013年の税制改正で、「特定支出」の範囲が広がりました。サラリーマンでも、交際費やスーツ代の領収証を保管して、会社の証明があれば、確定申告して還付金が戻るかもしれません。

サラリーマンの税金、基本をおさらい

まず特定支出のご説明の前に、会社員の給料にかかる税金の計算方法を簡単にご説明いたします。毎月の給料やボーナスの合計額=年収が500万円だったとします。年収の500万円がすべて給与所得になるわけではなく、500万円から給与所得控除額を控除した金額が給与所得額となります。給与所得控除額は、一定の公式に当てはめて計算しますが、年間の給与が1,619,000円以下の場合は65万円で、給与の金額によって少しずつ増えていきます。500万円だと154万円が給与所得控除額になりますので、給与所得額は346万円になります。ここから、社会保険料や扶養親族の控除額を差し引いたものが課税所得となり、そこに税率を掛けて所得税を計算します。給与の場合は、あらかじめ源泉徴収されていますので、源泉徴収された金額と、計算した金額の差額が生じます。一般的には、多めに源泉徴収しているので、年末調整で還付になるケースが多いです。

自腹の接待も確定申告!

さて、特定支出ですが、通勤費・転勤による転居費・研修費・資格取得費(医師・歯科医師・弁護士・公認会計士・税理士などは除く)・単身赴任の場合の帰宅旅費の支出とされていました。これらの所得が、給与所得控除額を超える場合は、超える部分を控除することができました。しかし実際には、年収500万円の人の給与所等控除額は154万円ですので、これを超える支出をすることは、非常に稀なケースで、この特定支出控除の適用は数件しかありませんでした。was0013-0492013年の改正で、支出の範囲が広がりました。資格取得費に医師・歯科医師・弁護士・公認会計士・税理士など資格取得費が含まれるようになりました。また、書籍、定期刊行物など職務に関連するもの、及び制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用、交際費、接待費その他の費用で、得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待などの支出が、新たに特定支出の対象になりました。

仕事のための英会話スクール、資格取得、防寒着まで経費に。

また、控除のハードルが低くなり、給与所得控除額の2分の1を超える金額が控除対象になりました。例えば、年収500万円だと、給与所得控除額の2分の1は77万円になります。旅行業に勤務する方であれば、英会話スクールや旅行業務取扱管理者資格の取得のためにビジネススクールに通う場合があると思います。wmn0111-001また海外に添乗員として従事する時には、寒暖差があり衣類が複数必要になるかもしれません。お客様にお土産や贈答品を購入する場合もあると思います。これらの支出が、年収500万円の人で77万円を超えていれば(書籍等・衣服等・交際費等については上限65万円)、会社に証明書を発行してもらうと確定申告で所得税の還付を受けられる可能性があります。

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