JAL、パイロット訓練に国内初となるMPL訓練を導入

日本航空（JL）は、COAA社（CAE Oxford Aviation Academy Phoenix Inc.）との契約により、Multi-crew Pilot License（以下「MPL」）取得訓練を、2014年4月から開始すると発表した。同訓練の導入は国内初。

MPLとは旅客機のパイロットのうち副操縦士に求められるライセンスで、2006年にICAO（国際民間航空機関）で規定、2012年に日本においても法制化された新しい制度。養成課程には常に最新の訓練手法が取り入れられており、従来と違って初期段階からマルチクルー（機長と副操縦士の2人）の運航を前提に訓練することで、旅客機のパイロット養成に適した体系となっている。海外では数年前から複数の航空会社で導入され、既にMPL訓練を受けた副操縦士が多数運航に従事している。

JALのMPL訓練では、当初から乗務する航空機を特定し、4つのフェーズに分けて一貫した訓練を進める。

• Coreフェーズ（小型単発プロペラ機による訓練）
• Basicフェーズ（小型双発ジェット機によるマルチクルー運航の基礎と計器飛行）
• Intermediateフェーズ（JALが運航するジェット機の運航に関する訓練）
• Advancedフェーズ（JALが運航するジェット機の型式限定ライセンス取得訓練）

このうち、CoreフェーズとBasicフェーズはCOAA社に委託し、米国アリゾナ州フェニックスで訓練を実施する。

MPL訓練が実現すると、訓練期間が従来方式より約6カ月短縮されるが、「航空機の操縦操作や手順に関する能力」に加えて、旅客機の運航に求められる「2人のパイロットがチームとなって安全運航を遂行する能力」が初期段階から身につき、効果的なパイロット養成が可能となる。