成田国際空港(NAA)は、2013年成田空港10大ニュースを以下のとおり発表した。開港35周年という契機の2013年だったが、話題が非常に豊富な年だったことが振り返ることができる。特に、LCCが多く就航し、週間発着回数が過去最高を記録するなど活発な動きがみられた。また、オープンスカイやカーフューの段階的運用開始など空港として大きな転機の年ともいえる(10大ニュースは下段に掲載)。
こうしたことを踏まえ、インフラの整備も進んだ。シャトルシステムが終了し、スムーズな移動ができる連絡通路が供用されたり、空港入場時のノンストップゲート化の実現へ向けた実証実験もスタート。訪日外国人の増加を踏まえると、将来を見据えてこうしたスムーズな移動を提供することは必要不可欠だ。来年以降も、こうした活動の継続で質実ともに世界に通用する国際空港としての成田に期待したい。
成田空港が発表した10大ニュースは以下のとおり。
開港35周年:成田空港は5月20日に開港35周年を迎えるとともに、中期経営計画「イノベイティブNarita2015〜選ばれる空港を目指して〜」を始動させた。
オープンスカイ:空港容量が27万回に拡大し、3月31日からオープンスカイが適用。航空会社が自由に空港を選ぶ時代に突入した。
国際線着陸料等の料金改定、国際線着陸料の増量割引導入(*1)
国際線・国内線ネットワークが更に拡充(新規航空会社の就航、新規路線の開設)(*2)
LCC の充実、深夜早朝の利便性向上:国際線・国内線旅客便週間発着回数において LCC が占める割合は2013年夏ダイヤ開始時で10.4%、2013年冬ダイヤ開始時で11.5%にまで拡大した(2013年冬ダイヤ中には、16.3%に増加予定)。また、深夜早朝時間帯の LCC 発着便等の増加への対応として、利便性の高いサービスを拡充した。
週間発着回数が過去最高を記録:2013年夏ダイヤでは総発着回数(4,144回/週)で過去最高を記録し、 2013年冬ダイヤでは就航都市数(海外101都市、国内15都市 合計116都市)、乗り入れ航空会社数(84社)で過去最高を記録した。
離着陸制限(カーフュー)の弾力的運用開始:国、千葉県、空港周辺9市町及びNAAで構成される「成田空港に関する四者協議会」における合意(3月29日)により、やむを得ない場合に限り23時台の離着陸を可能とする、離着陸 制限(カーフュー)の弾力的運用を3月31日から開始した。
ノンストップゲート化へ向けた実証実験実施:空港利用者の利便性・快適性の向上のため、空港入場時のノンストップゲート化の実現へ向けて、実証実験を実施した。駅ゲートや車両ゲートにおける安全でスムーズな入場の両立を目指して2014年度末をめどに実現を予定している。
シャトルシステムの運用終了及び連絡通路供用:第2旅客ターミナルビルの供用開始以来、本館とサテライトを繋いだシャトルシステムの運用が終了。よりスムーズな移動が可能となる連絡通路が9月27日から供用開始された。
成田空港活用協議会発足:成田空港を活用した千葉県経済の活性化の取り組みを、官民が連携して推進していくことを目的として7月31日に発足した。
(*1)国際線ネットワークの拡大およびアジア地域での競争力強化のため、戦略的な料金見直しを実施(4月1日から適用)。国際線着陸料は航空機の種類に応じて平均5.5%引き下げ、国際線手荷物取扱施設使用料は101席以上の区分見直しおよび各区分の単価を引き下げた。また、インセンティブ料金制度として、国際線着陸料の増量割引を導入(4月1日から適用)。着陸重量が前年度同期比で増加した場合に、増加重量に対して 50%の割引を始めた。
(*2)
[国際線]
- 全日本空輸がサンノゼ線を新規開設(1月11日)
- ユナイテッド航空がデンバー線を新規開設(6月11日)
- チェジュ航空がソウル線で新規就航(7月4日)
- トランスアジア航空が台北線で新規就航(9月26日)
- バニラ・エアが台北線で新規就航(12月20日)
[国内線]
- ジェットスター・ジャパンが大分線(3月31日)、鹿児島線(5月31日)、松山線(6月11日)、 高松線(12月10日)を新規開設
- スカイマークが石垣線(7月10日)、米子線(12月20日予定)を新規開設
- ピーチ・アビエーションが大阪線で新規就航(10月27日)
- バニラ・エアが沖縄線で新規就航(12月20日)