世界観光機関(UNWTO)は2013年の国際観光客数(到着数)を、前年比5%増の10億8700万人と発表した。最も需要が強かったのはアジア太平洋地域で6%増の2億4800万人。なかでも東南アジアが10%増で最も成長率が高く、南アジアは5%増、北東アジアとオセアニアはそれぞれ4%増だった。
また、到着客数が過去最高となったアフリカ(6%増の5400万人)、ヨーロッパ(5%増の5億6300万人)も需要が強く、特にヨーロッパは地域の経済状況に関わらず、2005年以降の年平均2.5%の倍となる伸び率で推移。なかでも中央・東ヨーロッパは7%増、南地中海は初の6%増となった。アメリカ地域は4%増の1億6900万人。南米は2%増、カリブ海は1%増と停滞した。
一方、送客市場では中国とロシアの成長が際立った。中国は2013年第3四半期までの支出が28%増、ロシアは9月末時点で26%増と大幅に増加。このほか、トルコが24%増、カタールが18%増、フィリピンが18%増と新興国市場で大きな成長が見られたが、主要先進国ではアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアが3%増と緩やかな伸びとなった。
▼2014年もアジア・太平洋地域の成長続く
UNWTOは2014年の国際観光について、4%~4.5%の伸びを予測。2020年までの長期予測における年3.8%を上回る成長を見込む。地域別ではアジア・太平洋地域(5~6%増)とアフリカ地域(4~6%増)を最も強い需要があると展望。ヨーロッパ地域とアメリカ地域は3%~4%増、中東地域は0~5%増との見通しだ。