2030年の中国人旅行者、件数は17億件・消費額は約200兆円に -中間層が牽引

トリップアドバイザーは、旅行観光業の将来に関するボストン・コンサルティング・グループとの共同レポート「成長する億人規模のアジア人旅行者を獲得するには――まずは中国から」を発表した。このなかで、2030年までに増加する世界の旅行者の5割以上がアジア太平洋地域に関わるものと予想。全旅客の49%がアジア太平洋地域内またはアジア太平洋地域と他地域間の移動だという。

また、この伸びの最大要因は中国旅行者の増加だとし、2030年のアジアにおける国外旅行の4割が中国人旅行者によるものと指摘。中国国内旅行市場も米国を抜いて世界最大規模に達すると予想する。2030年までに中国都市部の住民による年間旅行件数は、国内外合わせ現在の5億件から17億件と3.4倍に増加。旅行観光の消費総額は1兆8000億米ドルと約7倍に達し、特に海外レジャー市場は年率15%の伸びを予想している。

さらに中国の中間所得~富裕層と潜在的な消費者層の80%以上が人口1000万人以上の大都市ではなく、中小都市部に居住していることも指摘。トリップアドバイザー中国語版サイトのdaodao.comでは、2013年に国外の旅行先を検索したユニークユーザーの7割が北京や上海などの4大都市以外の居住者で、4大都市の2~3倍の速さで伸びているという。レポートでは、大都市以外への進出には地域への対応が求められる一方で、先行者利益を得る可能性が高いと示唆している。


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