トリップアドバイザーの調査で、転職経験者の35%が次の職場勤務までの休暇期間に宿泊を含む「転職旅行」を経験したことが判明した。調査対象者は全国の世帯年収400万円以上の男女1000人(25歳~54歳)。
転職旅行の内訳は国内旅行が56%、海外旅行が44%で、平均宿泊数は国内旅行が2.7泊、海外旅行が7.4泊。1人当たりの旅行費用は国内旅行が6万2000円、海外旅行が19万8000円、全体平均が12万2000円となり、72%が個人手配旅行、18%がスケルトンタイプのパッケージツアー、8%が添乗員同行ツアーだった。
目的は「リフレッシュ」、「自分へのご褒美」、「ずっとしたかったことを実現」などが多く、99%が「行ってよかった」と回答。「気持ちが切り換えられた」、「その後まとまった休みが取れなかった」という理由が多かったという。
トリップアドバイザーでは、2013年の年間転職者数は286万人とする総務省の労働力調査と今回の調査結果から、年間の転職旅行者数は約100万人、市場規模は同行者を含め1290億円と試算。卒業旅行の550億円を上回る人生の節目旅として定着しつつあり、旅行業界にとって大きな市場になっていると提言している。
ただし、大きな市場となる可能性を秘めている一方で、転職旅行経験者の84%が旅行をする際に「気を使った」と回答し、「必要以上に周囲に伝えないように配慮した」(70%)、「できるだけ誰にも伝えずにいた」(9%)など、前後の職場に配慮している姿も見受けられた。トリップアドバイザーでは転職旅行のポータルサイトを開設。今回の調査データとともに、転職旅行に行くメリットなど各種情報を掲載し、転職旅行を気兼ねなく楽しめる環境づくりをサポートしていくとしている。