JTB総合研究所の「国内線LCC利用者の意識と行動調査2014」によると、2012年以降に航空機を利用した旅行者のうち、国内線LCCの利用率は15.8%となり、2013年の調査よりも4.3ポイント増加した。特に男性18~29歳が29.7%(7.8ポイント増)、女性18~29歳が22.8%(6.3ポイント増)となり、若い世代の伸びが目立つ。
国内線LCC利用者の旅行の変化については、「同じ行先でもLCCを選択するようになった」(32.5%)が最多。次いで「LCC就航がきっかけで国内旅行をした」(28.7%)、「旅行回数が全体に増えた」(23.7%)が続き、LCC就航が旅行需要を生み出していることがうかがえる。「旅行回数が全体に増えた」人の平均旅行回数は4.7回で2.3回上昇。男性40代の上昇幅が最も多く、観光のほか知人訪問や単身赴任先からの一時帰宅など利用目的も幅広い。
LCCの利用目的は観光が最も多く、国内線は73.4%、国際線は81.6%。同行者を見るとひとり旅が多く、国内線では31.8%、国際線は25.7%となった。特に国際線では熟年・シニアの利用が目立ち、海外旅行で増えている熟年・シニアのひとり旅で、気兼ねなく利用できるLCCが手頃な交通手段になっているようだ。
LCCを利用する理由は「他の手段より安い」が最も多く、国内線で87.9%、国際線で82.3%。それ以外では「LCCに乗ってみたいから」「目的地への到着時間がちょうどよかったから」はいずれも10%台で、圧倒的に価格訴求力で選ばれていることが分かる。
ただし、国内線LCCに対する評価のなかで、「最近価格が高くなってきた」(35.3%)の回答も3割に達し、価格面の変化を感じているようだ。このほか、「前の座席との間隔が狭い」(73.6%)、「飛行機の出発・到着が遅れる可能性が高い」(57.8%)、「従来からある航空会社の方が安心できる」(55.1%)、「減便や休便が多い」(51.5%)など、マイナスのイメージが先行していることがうかがえる。
調査は2014年7月11日~7月13日まで、関東と関西に居住する18歳以上の男女4万件を回収。2012年以降に飛行機で旅行をした人は1万3549人、国内線LCC利用経験者は1405人。
(トラベルボイス編集部)