GDSのアマデウス・ジャパンは、環境問題対策に取り組むマイクライメイトジャパンおよび経済産業省と提携、航空券予約エンジンの新機能を通じて低炭素化社会に貢献する「カーボン・オフセット」プロジェクトを開始する。これにより、同エンジンを使用する旅行会社を通じて航空券を予約する消費者に地球温暖化対策の仕組みを浸透させる効果が見込まれるうえ、消費者自身がカーボン・オフセット活動に直接参加できるようになる。
カーボン・オフセット活動とは、二酸化炭素などの温室効果ガス排出をできるだけ削減する努力と並行して、排出されてしまった二酸化炭素の量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資するといった取引を経て「相殺(オフセット)」するという考え方からくる取り組み。取引対象となった温室効果ガスの削減・吸収量(クレジット、排出権)を認証する公的な仕組みとして、政府による「J-クレジット制度」も運用されている。
今回のプロジェクトでは、アマデウス・ジャパンが旅行会社のウェブサイト向けに提供するオンライン航空券予約エンジン「Amadeus e-Power」に、国際民間航空機関(ICAO)が公開する「二酸化炭素排出量算定ガイドライン」に基づいて算出された二酸化炭素想定排出量を表示する新機能を搭載。また、航空券購入者向けに想定排出量相当のクレジット購入を促してカーボン・オフセット活動への参加を推進、クレジットが購入された際にはマイクライメイトジャパンが「カーボン・オフセット証書」を発行する。
マイクライメイトジャパンでは、「例えば東京~札幌間を空路で往復した場合は概算で約200キログラムの二酸化炭素を排出することになるが、今回の取り組みでは旅行者自身がこの事実を認識し個人的な行動を取ることを選択できるようになる」とコメント。
アマデウス・ジャパンでは、3者連携のもと日本国内の企業に対して気候変動対策の普及をより目指していきたいとしている。