JAL中期経営計画、2015年度の重点課題はウェブ活用でSNS・モバイル促進、業績は燃油費減で減収も増益へ

JALグループは先ごろ策定した「2012~2016年度 JALグループ中期経営計画ローリングプラン2015」で、2015年度の営業収入は前年比1.1%減の1兆3280億円、営業利益は2.9%増の1720億円、経常利益は3.0%増の1690億円、当期純利益は3.5%増の1440億円とする収支・財務計画を発表した。

2014年度は国際旅客収入の増加で増収が見込まれるが2015年度は燃油サーチャージの引き下げが影響し、燃油費関係の営業収入が310億円減少すると予想。ただし、燃油価格の低下や一層の収支改善などで営業費用を190億円減少させ、営業利益率を13.0%に引き上げる計画だ。

2015年度は国際線において、北米とアジアの将来的な需要拡大を見据え、中長期路線を中心にネットワークを拡充。販売ではウェブの活用を重点課題とし、SNSやモバイル活用の促進とダイナミックパッケージも拡充する。日本発の観光販売促進に加え、訪日外国人の国際線利用に向けた需要喚起も強化していく。2014年度はダイナミックパッケージの利用人数が20%増加し、ウェブ販売比率が約2%上昇した。また、訪日需要の獲得に向けた無料WiFi整備や海外地区ホームページの刷新などにより、海外発の利用者が約10%増加したという。

一方、マイレージプログラムでは使いやすさの向上を目的に、必要マイル数の見直しや国際線の片道利用の導入のほか、共通ポイントサービスPontaとも連携し、サービス強化を図る。このほか、人材計画ではオフィスのあり方やITツール導入の検討などを含め、ワークスタイル変革にも取り組む。

ローリングプラン2015では2016年度までの中期経営計画について、各年度の位置づけを整理。旺盛な訪日需要や後半の燃油市況の下落等を受けて前年並みの営業利益を達成する見込みの2014年度を「今後の成長に向けた経営基盤を整えた期間」とし、2015~2016年度に「成長実現と中期経営計画の達成」を目指す。「競争に勝ち抜くための差別化」に取り組み、2020年の東京五輪に向けた首都圏空港容量拡大やさらなる訪日需要の増加など、さまざまな環境変化に対応できる企業基盤の整備を推進していく方針だ。

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