日本政策投資銀行・関西支店はこのほど、アジア8カ国を対象に関西訪問旅行者の動向調査をおこなった。それによると、訪日旅行経験者(1867名)のうち約6割(1123名)が関西旅行の経験者となった。国別では、中国から関西への訪問回数は「1回のみ」が最多で6割を占める一方、台湾と香港ではリピーターが多く、「4回以上」が4割を超える結果となった。
今回調査対象となったのは、韓国・中国(北京と上海)・台湾・香港・タイ・シンガポール・マレーシア、インドネシアの8カ国で、回答者は20歳から59歳の男女で海外旅行経験者4000名。
国別の訪問回数は以下のとおり。
関西圏の認知度を地域別にみると、「大阪」の認知度がもっとも高く全体の68.9%を占め、なかでも台湾(80.2%)、香港(79.4%)では8割を占めた。2位「京都」の認知度は全体で62.8%、次いで「神戸」50.2%、「奈良」32.8%となっている。
関西訪問経験者による訪日動機では、「その土地の料理を味わえる」(86.9%)が1位で、「安くておいしい料理が食べられる」(75.7%)、「自分の好物を食べられる」(72.8%)もトップ5にランクされ、「日本の食」への関心の高さがみられた。関西の文化にかかわる「有名な史跡や歴史的な建築物を見物できる」(71.1%)との回答は「食」に関する動機よりは低い傾向となっている。
同銀行では、関西において文化観光事業を促進するにあたり、単なる消費にどどまらない「知的欲求」を満たす取り組みが重要と分析。訪日動機として「最先端の工場や伝統工芸品・加工食品工場の見学ができるという回答が一定の割合」(30.2%)を得ていることに着目し、「ものづくり関西」としての産業文化を旅行者にも訴求していくことの重要性を示唆している。
今回の調査2014年9月9日から16日までの間、インターネット上で実施された。