日本旅行は2015年4月1日に2015年度入社式を実施し、丸尾和明代表が新入社員120名へメッセージを送った。その中で代表は、「2015年度はビジネスモデル転換の実現を期してスパートをかける年度」と日本旅行グループ全体が一丸となることの重要性を強調。また、ことし創業110周年迎えるにあたり「創業者のチャレンジ精神を私たち社員一人ひとりがDNA化し、受け継いでいかねばならない」との想いにも触れ、「努力を積み重ねることで困難を克服して未来を切り開いてほしい」と締めくくった。 *写真は新入社員代表挨拶の様子
丸尾代表から新入社員へのメッセージは以下のとおり。全文を記載する。
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本日ここに、総勢120名の新しい仲間を迎えることができ、大変うれしく思います。皆さんは今日から社会人としての新たな人生がスタートします。
そして自らの将来を日本旅行に託し、高い志と決意を持って本日を迎えられたことと思います。我々経営陣一同、その思いをしっかりと受け止めるとともに、今後の皆さんの活躍を期待し、私からメッセージを送りたいと思います。
▼旅行マーケットについて
現在の旅行業界は、マーケットの構造変化にともない極めて大きな変革期を迎えています。具体的には、訪日客の増大によって活況を呈する『インバウンド部門』や、『インターネットでの販売』はさらなる成長が見込めますが、一方で『需要が集中する東京など大都市圏の厳しい仕入環境』や、『サプライヤーの直販化』に加え、『お客様のニーズの多様化や個性化』等は、私たちの事業に極めて大きな影響を与えています。
▼中期経営計画について
こうした厳しい環境の中、当社では、マーケットの構造変化に的確かつ迅速に対応すべく、ビジネスモデルの転換を柱に据えた中期経営計画「ACTIVE 2016」を2013年度からスタートさせ、マーケットから選択いただける企業グループを目指して歩みを進めています。
そして、中期経営計画の最終年度まで残すところあと一年となる本年を「ビジネスモデル転換の実現を期してスパートをかける年度」と位置付け、計画の実現に向けて日本旅行グループ全体が一丸となって取り組んでいるところです。
▼創業110周年について
また本年は、当社の創業110周年という節目の年でもあります。創業者南新助は我が国初となる団体臨時列車を仕立て、「お伊勢参り」や「善光寺参り」など寺社仏閣参詣のための団体旅行を企画、集客、催行しました。当時関西から関東への旅は現在の海外旅行以上のとまどいがお客様にありましたが、列車内で沿線の名物をおやつとして提供したり、ガリ版を持ち込み毎日の情報を印刷してお客様に提供したりして、お客様のニーズを踏まえた新しい価値の提供を行いました。このような、お客様を第一に考え、何をすれば喜んでいただけるかという創業者のマーケット・インの発想と新しい施策に果敢に取り組むというチャレンジ精神を私たち社員一人ひとりがDNA化し、その理念や行動を受け継ぎながら、逆境に立ち向かっていかなければなりません。
▼入社後の心構えについて
皆さんは、110周年という節目の年であり、またマーケットの変革の時期に入社された訳ですが、むしろ、こうした時期に入社された事をチャンスと捉え、既成概念にとらわれない柔軟な発想と行動力、そして若い感性で、将来を切り拓く中心的な存在となっていただきたいと考えています。そのために、この入社式後、皆さんには1か月間の研修を受けていただきます。
そこでは、「旅行業のプロフェッショナル」としての土台を築くための数々のプログラムを用意しています。また、学生から社会人へとスイッチを切り替えていただくための心構えや、当社及び当社を支えるグループ会社の業務についてもしっかり学んでいただきたいと思います。
研修後はそれぞれの箇所に配属されることになりますが、強く意識してほしいことが一つあります。それは『基本を大切にする』ということです。
社会人としての基本は、「挨拶」、「身だしなみ」、「ホウレンソウ」、「約束を守る」など様々です。入社したての皆さんにとって、出来ないことや解らないことが多い中、「挨拶」だけは即出来ることです。まずは「挨拶をしっかりする」ということを覚えておいて下さい。皆さんの「挨拶」が職場に活気を生むことになるのです。
▼社会人としての責任
皆さんは本日より社会人としての一歩を踏み出します。学生時代とは違い、仕事をしたその対価として給料をもらうこととなります。一見、アルバイトと同じようですが、大きく違うのは「責任」です。それはお客様に対する責任であり、会社に対する責任であり、社会に対する責任でもあります。その事をしっかり認識して欲しいと思います。今日ここに120名の若い皆さんが新たな仲間として加わった訳ですが、全社員がその力を結集し、「感動と満足を創出する活力ある企業グループ」に向けて、私たちと一緒に前進して行こうではありませんか。
▼最後に
最後になりますが、「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない」という言葉があります。世界のホームラン王である王貞治さんが言った言葉です。
皆さんは恐らく今までに経験したことのない社会の厳しさや成果を出す苦しみを味わうことになると思います。残念ながら世の中は自分の希望する通りにはならないことが多いと覚悟して下さい。夢や目標を達成するにはどうしたらいいでしょうか。その方法は1つしかありません。それは努力を積み重ねることだけです。一つひとつの困難を克服していくことが未来を切り開くことになります。こうした初心を忘れることなく仕事に邁進して下さい。
皆さんの入社を心より祝福して私からの歓迎の挨拶と致します。