年末年始の旅行2015予測、総旅行人数は3058.8万人で過去最高、海外旅行は減少・国内旅行が牽引 ―JTB

JTBは2015年12月2日、「2015年年末年始(2015年12月23日~2016年1月3日)の旅行動向見通し」を発表した。それによると、国内外を合わせた総旅行人数合計は、前年比0.2%増の3058.8万人で過去最高となる見通しとなった。

海外旅行は62.8万人で前年比4.3%減となったものの、国内旅行は0.3%増の2996万人で過去最高に(数字は、航空会社の予約状況、業界動向、JTBグループの販売状況、アンケート調査からの推計値)。国内旅行が全体をけん引するかたちとなった。

総旅行消費額は、5.4%増の1兆1608億円と好調。海外旅行は6.5%減の1362億円、平均費用も2.3%減の21万7000円といずれもマイナス。一方、国内旅行の消費額は7.2%増の1兆246億円、平均費用も7.0%増とプラスを示し、全体の底上げに寄与した。

同社では海外旅行が低調となった要因として、2015年の年末年始はカレンダー上の休日が連続しないことに加え、国際情勢への懸念や継続する円安基調が影響を与えたとしている。

2015年年末年始(2015年12月23日~2016年1月3日)の旅行動向推計値は以下のとおり。

JTB:報道資料より

海外旅行の動向

海外パッケージツアー「ルックJTB」の予約状況によれば、海外旅行の出発日ピークは長距離が12月23日、アジアなど近距離は12月29日と30日。帰国のピークは1月2日から3日となる見通し。

方面別では、台湾やハワイが安定的な人気となっているほか、昨年落ち込みを見せた香港が増加に転じ、今年建国50年で露出を増やしたシンガポールも好調だ。

方面別・海外旅行人数(推計)では、アジア全体が40.1万人(前年比2.9%減)、北米合計が5.2万人(3.7%減)、ハワイが5.9万人(1.7%増)、グアム・サイパンが3.2万人(13.5%減)、ヨーロッパ合計が5.1万人(16.4%減)、大洋州合計が2.3万人(±0.0%)、その他(中近東・アフリカ・中南米など)が1万人(±0.0%)となっている。

アジアの国別推計値は以下のとおり。

JTB:報道資料より

国内旅行の動向

アンケートによれば、国内旅行日数は「1泊2日」が32.3%(前年比3.1ポイント減)、「2泊3日」が30.4%(同1.2ポイント減)となった反面、「3泊4日」が16.4%で前年比3.1ポイント増と伸びを示したのが特徴だ。

また、宿泊場所は「実家」(47.5%)が最も多いものの前年比0.7ポイント減。代わって、「旅館・ホテル・民宿・ペンション」が6.8ポイント増の44.9%となった。このことから、今年は日数を伸ばして少し長めの旅をしたり、ホテルや旅館などにお金をかけて宿泊する様子がうかがえる。また、ふるさと旅行券の有効活用により「ちょっと贅沢」な旅行も多いものと同社はみている。

JTB:報道資料より

なお、JTB国内パッケージ「エースJTB」の予約状況によれば、国内旅行の出発日ピークは12月31日、次いで12月30日。

旅行先は、北陸新幹線の開業に伴い、北陸・信越方面の人気が年末年始も継続。また、大阪や京都などの近畿方面、訪日旅行先としても人気の高い北海道が日本人の旅行先としても好調となっている。

アンケートは、全国200地点で15歳から79歳までの男女1200名を対象におこなわれたもの。調査期間は2015年11月3日~11月15日。2015年12月23日から2016年1月3日までの1泊以上の旅行について調査した。

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