はとバスは2015年度(2015年7月1日~6月30日)の東京観光の利用者数が、前年比3.3%減の85万6948名に減少したと発表した(速報値)。
このうち日本人定期観光(団体貸切の増発除く)は昼コースが3.2%減の64万7049人、夜コースが14.6%減の10万3026人。はとバスでは減少の要因を(1)1月の軽井沢スキーバス事故、(2)熊本地震、(3)訪日客増加による都内客室不足と宿泊費高騰、の3点を指摘。
特に軽井沢スキーバス事故については、利用者数が事故発生前の2015年7月~1月が5.1%増の推移に対し、2016年1月~6月は13.8%減(5万9657名)と大きく減少した。また、熊本地震については、九州地方の旅行会社の取扱が2016年2月~3月も21.6%減(189名)で減少傾向にあったが、4月~5月は39.9%減(633名減)となり、九州在住者の旅行控えが考えられるという。
さらに、訪日客の増加により都内ホテルは83.7%の高稼働が続き、単価も上昇。客室不足と宿泊費の高騰で、地方客の東京旅行が難しい状況が続いていると見る。実際、夜コースの利用者数は2ケタ減と落ち込んだ。
一方、外国人向けコース(英語・中国語)は8.5%増の9万691人となり、好調。9万人を超えたのは1986年以来、29年ぶり。英語ツアーが7.8%増の6万8960円、中国語ツアーが9.8%増の2万1731名。はとバスの会計年度(2015年7月~2016年6月)の訪日旅行者数は2190万名の見込みだという。