日本旅行業協会(JATA)は、ツーリズムEXPO2016で「ツアーグランプリ2016」の表彰式を行った。ツアーグランプリとは、旅行会社のつくる旅行商品の企画力とマーケティング力の向上、「観光立国」の施策に寄与することを目的に実施しているもので、今年で23回目。2016年の応募総数は124件、その中から国土交通大臣賞など8部門11ツアーが表彰された(各賞の受賞企業や商品は下段に紹介)。
表彰式のあいさつにたった実行委員長の日本旅行業協会副会長・丸尾和明氏は、今回の応募で海外旅行の企画が昨年よりも2割増となったことを明かし、海外旅行復活への「旅行業界の強い意志の表れ」と評価。こうしたことで、国内旅行と海外旅行がともに進化していくことに期待した。
総評には、審査員を代表して松本大学名誉教授の佐藤康博教授が登壇。今回の全体的な応募内容の特徴として、テロや紛争に負けず、旅を実現するために旅行会社にできることを考えるようなメッセージ性の強い作品が多かったと感じたという。一方で、海外旅行に逆風が吹く中で、旅行会社が国内旅行の企画に注力し、国内旅行の質の向上につながったことを評価。こうした積み重ねが、日本人だけでなく、外国人旅行者も満足させる企画につながり、良い循環が生まれることを祈念した。
各賞を受賞した企業名とツアー名は以下の通り。
【国土交通大臣賞】
阪急交通社 「美しきアルザス地方・ドイツ黒い森と花々の楽園マイナウ島・ルクセンブルグ8日間」
リピーターを対象に特別感を出した商品。欧州の冷え込みのなか、新たな商品として発表した点が評価された。表彰式では、同社の黒田亮氏が「知名度の低い観光地がリピーターに受け入れられた」と喜びのコメント。
【観光庁長官賞】
(国内・訪日旅行部門)
ワールド航空サービス 「日本旅百景」
残したい日本の風景や文化に焦点を当て、小さな町に送客。海外旅行に行きづらくなった高齢の顧客を国内旅行にシフトさえて旅を継続してもらうことに成功した点が評価された。
(海外旅行部門)
クラブツーリズム 「中国 中国・張掖丹霞地貌(ちょうえきたんかちぼう) 絶景ハイキング5日間」
参加しやすい日程で目的のハイキングに絞り、目的意識の高いツアーでありながら、価格的にも参加しやすいツアーを造成した点が評価された。
【グランプリ】
(海外旅行)
*パッケージ旅行部門
ワールド航空サービス 「古き良き 新しき街並みと長城 山清水秀 古北水鎮の旅」
*シリーズ部門
朝日旅行 「世界の名画を訪ねる美の旅シリーズ」
*SIT部門
ピースインツアー 「カンボジア 村の小学校の子供たちに体育を教える活動」
(国内・訪日旅行部門)
ユーラシア旅行社 「五島列島巡礼の旅 4日間」
【審査員特別賞】
(海外旅行)
エヌオーイー 「ぶら旅シリーズ どの日に行っても一人部屋無料19.8万円!」
日本橋トラベラーズクラブ 「チャーター機でいく奥アマゾン 最後の石器人 ヤノマミ族に出会う旅」
(訪日・国内旅行部門)