JTB総合研究所はこのほど、中国人旅行者の消費行動にフォーカスした意識調査をおこなった。日本に旅行する予定がある中国人1000名を対象に「爆買い」後の消費行動を分析するもの。
それによると、オンラインショッピングの利用状況では、全体の約半数(50.1%)が「ネットショップを利用するようになり、以前よりも海外の商品を購入するようになった」と回答。「上海に最近できた、海外旅行帰国者用の免税店に行ってみたい」(27.9%)が3割近くを占めるほか、「ネットショッピングで外国製品が安く買えるので海外旅行では買い物が減る/減った」(13.2%)、「ネットショッピングで外国製品が安く買えるので海外旅行には行かなくていい」(10.7%)とする回答も1割以上を占め、旅行中の消費行動だけでなく旅行の動機そのものにも影響を与えていることが明らかになっている。
中国人の普段のネットショッピング利用状況は以下のとおり。
回答者の居住地別に現在の生活に関する意識を調べたところ、全体のうち44%が「1年前と比較して所得が増えた」と回答。ただし、「生活を切り詰めても欲しいものは購入したい」とする中国人は沿岸部(上海、北京、広州、深圳、福州、大連、瀋陽)居住者で36.4%、内陸部(成都、重慶、長沙、西安、合肥、鄭州)居住者で24.0%とやや傾向が異なる結果に。「物価の上昇」「ボーナスの減少」「高価な買い物を控える」という傾向も沿岸部で多くみられるほか、「不動産や株式などへの投資を増やしたい」割合も沿岸部居住者のほうが多いなど、地域によって異なる傾向がみられる。
居住地域別にみた「現在の生活」に関する意識は以下のとおり。
なお、日本で自分用に買いたいものの1位は「日本の菓子」(49.9%)。そのほか、日本の化粧品、日本ブランドの服・バッグ・時計、家電製品と続く。家電製品は、上海、北京など沿岸部の訪日旅行経験者の5割以上が選択したものの、はじめての旅行者や内陸部では低めの数字になったのが特徴的。全体的に、内陸部では購入意向の低さが確認できたという。
この調査は、中国人男女1969名に対するスクリーニング調査を経て、3年以内に日本旅行を計画している1000名を抽出して実施したもの。対象とする居住地は、沿岸部(上海、北京、広州、深圳、福州、大連、瀋陽)と内陸部(成都、重慶、長沙、西安、合肥、鄭州)。世帯年収は12万元(約240万円)以上。調査期間は2016年9月9日から14日まで。