オンライン旅行者の情報データ解析を行うADARAがこのほど明らかにした調査データによると、日本へのインバウンド旅行者がネット上で検索を開始する時期は、ホテル検索が旅行出発日の83.3日前、フライトが同82.5日前。また予約を確定する前の検索に費やす時間は航空券が9.4日間に対し、ホテル検索は17日とほぼ倍だった。2015年9月から今年9月までのADARA社内データから訪日外客の動きを抽出し、平均値を割り出したもの。
訪日旅行者はフライトよりもホテル探しを優先
ADARA全体での旅行者の動きの平均値は、フライト検索開始が旅行出発日の38.4日前、ホテルの検索開始は同35.6日前。これと比較し、訪日旅行者がホテルやフライト検索を始める時期はいずれも約80日前で、平均より2倍以上、早い傾向が鮮明に。またホテル検索にかける日数が、ADARA平均(3.6日)に対し、訪日客は17日と非常に長いことも特徴。検索を開始する時期も、ADARA平均では、フライト探しに着手する時期がホテルより約3日先行しているが、訪日客はまずホテルの検索を始めている様子がうかがえる。
日本からの海外旅行は「出発の2カ月以上前」に宿泊・フライト検索を開始
一方、日本からのアウトバウンド海外旅行者の動きを見ると、出発前の検索開始時期は、ホテルが68.1日前、フライトが同68.7日前。予約確定までの検索期間は、ホテルが26.1日、フライトが8.6日と、ここでもホテル検索に費やす時間は非常に長い。ADARA平均と比較し、フライト検索にかける日数は3.4日、同ホテルは3週間以上(22.5日)長かった。
日本国内旅行でも宿泊予約にかける日数は「2週間以上」
国内旅行はネット上での検索期間が最も短く、ホテル検索開始は旅行出発日の58.9日前、フライトは同59.6日前。予約確定までの検索期間は、ホテルが14.4日、フライトが9.1日。日本人旅行者がフライト検索に費やす日数は、国内旅行も海外旅行も大差はなかった。またホテル検索には、国内旅行でも2週間以上かける様子が浮き彫りになった。
ADARAによると、同社のユニーク・プロファイル数は月間4.3億人。内訳は米国1億8500万人、欧州1億3700万人、アジア中近東6700万人など。日本人は現在、2000万人。なお、ネット上のデータ取得が難しいことなどから、中国市場は含まれていない。