日本航空と日本アイ・ビー・エムは2016年12月より、「航空機における故障予測分析」を開始する。航空機の整備精度を高めるための取り組みとして、共同で進めるもの。
具体的には、IBMの統計データ分析ソフト「IBM SPSS Modeler」を使用し、JALの航空機から取得した過去の各種センサーデータや整備履歴を分析。機材故障の発生予測結果にもとづき事前に整備を実施し、機材不具合による遅延や欠航を回避するのが目的だ。
これまでの整備処置では、機体やエンジン、装備品などに設置されたセンサーからのデータをフライト単位で監視し、センサーの値が異常値を示した場合に整備処置をおこなう前提となっていた。しかし今回の予測分析では、過去のフライトから取得したデータや整備記録をビッグデータとして解析。統計値にもとづく故障予測をベースに「予防整備」がおこなえるようになった。
両者は2015年11月から1年間にわたる実証実験を通じ、今回の統計分析の結果を確認。一定の精度で事前予測が可能であると判断したという。