東京商工リサーチによると、熊本県・阿蘇郡の株式会社AK(旧:杖立観光ホテルひぜんや)が2017年1月27日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は約18億5600万円。
同社は創業300余年となる杖立温泉の大型観光ホテル「ひぜんや」の旧運営会社。前身である肥前屋旅館の事業継承を目的に、1967年に(株)杖立観光ホテルひぜんやとして設立された。
同ホテルは熊本と大分の県境に位置し、熊本館・大分館・数竒屋丸館、レジャー施設を併設する「ひぜんや」、姉妹館「大自然」などを運営。1995年には大規模リニューアルをおこない、現地屈指の温泉リゾートとして展開し、1997年には売上高約32億円を計上していた。
しかし、景気低迷や周辺の人気温泉郷との競合などの影響を受け、2012年の売上高は約12億円にまで低下。赤字計上による債務超過となり、資金繰りも厳しい状況となっていた。2016年6月には新設したAK社(阿蘇郡小国町)にホテル事業を譲渡するとともに、同社は現商号に変更し8月に解散。12月に登記上の本社を港区虎ノ門に移転した。
なお、ホテル事業を継承したAKは2016年6月に「株式会社杖立観光ホテルひぜんや」に商号変更をおこない、現在ホテルを運営している。