飲食店予約サービス大手のオープンテーブルはこのほど、日米2か国で「外食とデジタル/テクノロジーに関する意識実態調査」を実施した。外食前、外食中、外食後の行動にフォーカスしてテクノロジー利用の状況をまとめたもの。
それによると、日本では外食に出かける前のネット利用で目的の1位は「レストランを探す」(68.9%)。次いで2位は「レストランへの行き方を調べる」(65.1%)、「レストランの写真(食事、内装、外観)を見る」(61.9%)。
一方で、米国では1位が「メニューを確認する」(84.5%)、2位が「レストランを探す」(76.7%)。日本でレストランの写真やアクセスを中心に調べる点と比較すると、米国ではレビューを読む割合も多く、「どんな料理が食べられるか」「どんなドリンクが飲めるか」といった具体的な食事内容に関心を持つ傾向がみられる。
また、日米いずれも参考にするのは「専門家によるレビュー」(日本が20.3%、米国が48.2%)よりも「他の利用客のレビュー」(日本が37.9%、米国が59.9%)が多いことが判明。専門性の高さよりも自分と似た視点を持つ利用者の声を参考する様子がうかがえた。
外食前におこなうことの日米比較は以下のとおり。
外食中の日本人は「SNS投稿よりも思い出写真」を優先
外食中のデジタル利用では、日本人の約3割(31.1%)が「思い出のために写真を撮る」。続いて「何を注文するか調べる(例えば、レビューでの人気や写真を参考にして)」(22.3%)、「ソーシャルメディアで、レストランの場所をチェックインする」(21.5%)、「レストランについてソーシャルメディアに投稿する(写真とともに)」(8.6%)。
食事中はSNS利用よりもその瞬間を思い出に残したいという日本人の心理がうかがえる結果となった。
外食後は「貯まったポイントの利用」に関心、レビュー投稿は日米で開き
外食後のデジタル利用目的では、日米いずれも「レストランのポイント利用」が1位(日本は10.2%、米国は22.4%)だが、SNS投稿では日米差がみられる。具体的には、「ソーシャルメディアでの共有」は米国が14.6%に対して、日本では米国の約半分の7.2%。「一般向けサイトへのレビュー投稿」は米国では1割以上(12.9%)、日本では3.9%。日本ではSNSなどへのレビュー投稿の習慣がまだ米国ほど浸透していない状況が確認された。
外食後のデジタル利用の目的は以下のとおり。
なお、「外食に関する未来のテクノロジー」として日本人が期待するものの1位は「グループ会計の際、各自が食べた分のみを自動に計算するシステム」(43.3%)。次いで「来店客の好みに即して事前に、しかも自動的に照明と空気環境を設定・調整するダイニングテーブル」(30.1%)」が続く。そのほか、6位「ボタンを押すと、次のコースがすぐに出てくる」(23.9%)、7位「事前注文アプリ(事前にメニューを選んで注文し、到着時にはすぐに食事できる)」(23.0%)、8位「来店客の興味や気分に合った好みの食べ物とワインを組み合わせるパーソナライゼーション/気分判定ソフトウェア」(21.0%)なども上位に。
これらの結果より同レポートでは、日本人消費者は「すぐに」「自分の好みに合わせた」食事空間や環境を期待する傾向にあると分析している。
この調査は、日本では2017年4月25日から5月7日まで、米国では2017年3月に実施。対象はオープンテーブル利用者。有効回答数は日本在住者が4252名、米国在住者が4709名。