国連世界観光機関(UNWTO)はこのほど、世界の海外旅行者数(国際観光客到着数)の長期予測値を発表した。それによると、2020年時点の海外旅行者数は14億人、2030年時点の旅行者数は年間18億人に拡大。2010年以降の年間成長率の試算結果は3.3%となった。
そのうち、アジアや中南米、中欧・東欧、東地中海地域、中東、アフリカといった新興国への到着者数は年間4.4%増で成長し、その他先進諸国の成長率(2.2%増)の約2倍に。1980年に30%だった新興国の市場シェアは2030年には旅行者数が10億人を超え、57%に至る見通し。一方、1980年に7割あった先進諸国のシェアは2030年には43%に縮小。2020年にシェアが逆転する見通しだ。
UNWTOによる2030年までの長期予測(地域別)は以下のとおり。
なお、アジア太平洋地域に特化してみると、2030年までの成長は年率4.9%増となり、2010年の2億400万人が2020年に3億5500万人、2030年には5億3500万人となるとしている。特に2010年から2020年までの伸びが年率5.7%と顕著なのが特徴だ。
この成長率予測は、2010年を基準年として、2030年までについて試算したもの。試算時には、社会、政治、経済、環境、技術的な要因などによる影響を加味している。
UNWTO Tourism Highlights 2017 Edition(英語、PDFファイル、全16ページ)