トラベルポートジャパンは、同社のサービスやプロダクトを紹介する「トラベルポートライブ東京」を開催、合わせてトラベルコマースプラットフォーム「ガリレオ」の日本での本格展開を発表した。英トラベルポートは昨年4月に旧ガレリオジャパンを完全子会社化し、7月にはトラベルポートジャパンとして活動を開始。現在も日本国内ではGDSの「アポロ」「ワールドスパン」を提供している。
イベントに先立ち挨拶に立ったトラベルポートジャパン代表取締役社長の東海林治氏は、デジタル技術の進歩によって旅行業界を取り巻く環境が激変しているなか、「トラベルポートはテクノロジーパートナーとしての役割を果たしていく」とコメント。それを具現化するものが、世界で最大のシェアを持つ「ガリレオ」だと強調した。
「ガリレオ」は「アポロ」や「ワールドスパン」とも次世代デスクトップの「スマートポイント」を通じて同じような操作が可能。東海林氏は、今後「ガリレオ」への移行プランを策定したうえで旅行会社への提案を本格化する方針を示した。
トラベルポートライブ東京では、同社5つのソリューションが紹介された。
最新デスクトップ「スマートポイント」
スマートポイントは、これまでのGDSを超えた「トラベルコマースプラットフォーム」として売り出している。LCCを含め航空会社の多様化する販売戦略に対して、旅行会社の手配をサポートする。その特長のひとつが、LCCとFSCの運賃を同時に比較検索できる「アグリゲーテッド・ショッピング」機能。さらに、「リッチコンテンツ&ブランディング」機能では、航空会社が設定するさまざまな運賃にどのようなサービスオプションが含まれるかをグラフィカルな画面(リッチコンテンツ)で確認することが可能になっている。
モバイルサポート「ViewTrip Mobile」「TripAssist」
旅行の過程をモバイルで完結させる旅行者が増加しているなか、トラベルポートでは「タビナカ」をサポートするアプリ開発にも力を入れている。そのひとつViewTrip Mobileは、GDSで予約された記録を顧客が確認できる旅程管理アプリ。TripAssistは、旅行会社や航空会社のモバイルアプリの開発をサポートするソリューションで、すでにシンガポール航空やイージージェットなど導入されており、モバイルユーザーに対するサポートで実績を上げているという。スマートフォンは旅行に欠かせないものになっており、時代は「モバイルファースト」から「モバイルオンリー」に移行しているとして、アプリ開発を提案した。
データ分析の「Business Insights」「Travelport Competitive Insights」
GDSを通じて世界で旅行予約をサポートしているトラベルポートは情報の宝庫として、ビッグデータの活用を提案。Business Insightsでは、旅行会社ごと、担当者ごとの予約発券データをリアルタイムで確認することに加えて、航空会社やホテルなどサプライヤーごとの金額ベースでの手配状況確認、平均発券完了日数、ホテル予約付帯率などの予約傾向把握が可能だと紹介した。
また、Travelport Competitive Insights(TCI)では、マーケット全体のトレンドと自社との比較、他国のマーケット動向、他マーケットでの特定デスティネーションや航空会社別のデータなどをリアルタイムで把握することが可能。現状は、データ参照と傾向把握にとどまるが、今後はAIを活用して予測に基づく自動処理を目指すと説明した。
オンラインビジネスに不可欠な「Universal API」「Next Generation API」
APIとは、アプリケーション・プログラミング・インターフェイスのことで、ソフトウェアコンポーネントの互換を可能にするもの。トラベルポートでは、このAPIを強化してきたことで、世界の代表的なOTAがトラベルポートを採用。特にアジア太平洋では全オンライン予約のうち42%を占め、トップシェアを維持しているという。
このUniversal APIによって、「リッチコンテンツ&ブランディング」機能には、現在のところ他社の4倍となる200社以上の航空会社が参加している。また、顧客の旅行意欲を高める「インスパイヤーサーチ」は、エミレーツ航空やプライスライン・ドットコムが導入。この機能によって1ヶ月前の予約が増えたという。Next Generation APIでは、日本にクラウドサーバーを置き、効果的なキャッシュの活用、データの軽量化を図ることで、最安値検索リスポンスを1秒以内にスピート化する取り組みを進めていく。
業務渡航ソリューション「Locomote Travel Management Platform」
Locomoteでは、オンライン予約、オフライン手配依頼、出張ポリシー、出張申請・承認からリスク管理やデータ分析まで、すべての出張手配をひとつのプラットフォームで提供。航空券検索では、払い戻し可能運賃、アライアンス指定なども可能。さらにマトリックス表示を活用するなどユーザビリティーを高めていると説明した。現在のところ、英語のみの提供だが、年内には日本語化を完了させる予定だという。