ブッキング・ホールディングスと中国発モバイル向け配車プラットフォーム「滴滴出行(Didi、ディディチューシン)」は2018年7月17日、戦略的パートナーシップの締結を発表した。互いのテクノロジーと各市場でのオペレーション経験を活かすことで、より幅広く、パーソナル対応が進化した旅行サービスをグローバル展開する方針。ブッキング・ホールディングス傘下の各ブランドでは、自社アプリとDiDiの連携によりオンデマンド配車サービスを提供可能に。また、DiDiではブッキングドットコムとアゴダの宿泊予約サービスを提供する。
さらにブッキング・ホールディングスでは、DiDiに5億ドルを出資。「モバイル対応の交通手配サービス業界におけるリーダー」と評価している。
DiDiの戦略担当副社長、ステファン・ヂュウ(Stephen Zhu)氏は「グローバルオンライン旅行市場のチャンピオンであるブッキングと共にイノベーションに取り組むことで、利用客には今まで以上にすばらしい旅行体験を届けられるようになるだろう」とコメント。
一方、ブッキング・ホールディングスのトッド・ヘンリッヒ上級副社長兼コーポレート開発責任者は「DiDiは技術力と交通シェアリング市場におけるスケールの両面でずば抜けた存在」、「(提携により)当社の顧客にはスマートな交通サービスを、DiDiの顧客には、当社グループが提供する世界各地のプロダクトへのシームレスなアクセスが提供できる」としている。
DiDiは、タクシー、リムジン、バスなど、多種多様な交通サービスを提供するモバイル向けプラットフォームを展開しており、ユーザー数は5億5000万人。登録しているドライバー2100万人にのぼる。本拠地の中国に加え、2018年からはメキシコ、オーストラリアにも進出。また日本市場では7月、ソフトバンクとの間で、次世代型タクシー配車サービス提供の合弁会社「DiDiモビリティジャパン」を設立するなど、世界展開を加速している。