タビナカ体験の比較検索サイト「Touring Bird」とグーグルの関係がどうなるのか、注目が集まっている。「Touring Bird」は、グーグルの社内インキュベーターArea120で、そのプラットフォームを研究開発してきたが、2019年10月22日にArea 120から独立すると発表した。一方で、「Touring Birdチームは、Area120からGoogle内に実験環境を移し、引き続き旅行者のために充実した体験を紹介していくとともに、旅行者と世界中のツアーやアクティビティ会社とを結びつける」ともコメントしている。
今回の発表によって、Touring Birdのサービスがグーグルの旅行ポータル「グーグル・トラベル(Google.com/travel)」に統合されるかどうかはまだ定かではないが、ウェブサイト上には「TouringBird.comは今年11月17日閉鎖する」と明言されている。
Touring Birdが、タビナカ体験の比較検索プラットフォームとして登場したのは2018年4月。そのときは、グーグルの旅行ビジネスに加わるのかどうか、あるいは加わるのであればいつになるのか、などの憶測が流れた。
同社は2018年にパリでテストを行ったあと、世界20市場2万5000件のタビナカ体験の比較検索でローンチ。その検索可能件数は今年4月時点で、東京、大阪、京都を含む200市場で7万5000件にまで拡大した。
世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」によれば、昨年の9月に同社ジェネラル・マネージャーのLax Poojary氏は、「目下注力しているのはプロダクトの拡大とユーザーエクスペリエンスの改善だ。グーグルのトリップス(Trips)アプリに参画することはない」と話していた。(その後、今年夏にグーグルはTripsの展開を取りやめた。)
Touring Birdのプラットフォームはもともと、グーグルの社員がそのリソースやサポートを受けてプロダクトをテストするArea120で作られた。Touring Birdが正式にグーグルの旅行部門の一部になる可能性について、グーグルの広報は明言を避けているが、「グーグルにとって、その研究開発を進め、現地ツアーやアクティビティを求める旅行者にタビナカ体験予約を改善していくことだけでなく、広い視点でユーザーとパートナーを結びつける点でも、いい機会だと考えている」とコメントしている。
タビナカ体験については、グーグルはこれまでもベンダーを「Googleで予約(Reserve with Google。Google マップやGoogle 検索、Googleアシスタントなどから、フィットネスクラブや美容院などを直接予約するサービス)」に加えることで、カスタマーを結びつけ、タビナカ体験の予約や支払いを可能にしている。