観光庁、「GoToトラベル事業」の予算配分で新たな見解、事業者向けの予算配分の方針も

観光庁は、「GoToトラベル事業」の予算配分についての新たな見解を示した。これは、2020年8月11日に発表したQ&A集のなかで触れられているもの。

現在のところ東京など支援対象外の地域の人や新型コロナウイルス対応に追われる医療従事者などは、「GoToトラベル事業」を利用することができないため、利用者間で不公平が生じる恐れがある。また、予算を早く使い切ってしまえば、現在対象でない人や利用できない人に対して裨益できないことも考えられる。

これに対して、観光庁は「事業を進めるにあたり、早期に給付金を使い切ってしまうことのないように、時期的な配分にも気を使いながら、個々の状況に応じて利用しやすい時期に利用してもらえるに、可能な限り長い期間にわたり実施できるよう執行状況を管理する」としている。

事業者向けの予算配分

GoTo参画事業者には割引クーポン配布などの適用にあたり、各事業者の区分や時期的な区分で配分し、事業者ごとに一定の予算を示している。この予算配分について、国土交通省の赤羽一嘉国大臣は11日の会見で説明。キャンペーン開始当初は、各社の販売計画が出そろっていなかったために全体予算の2割弱を前年の販売実績に基づいて仮配分した。今後は、残りの8割強については、中小事業者が提出する販売計画に基づいて適切に配分を行う方針だという。

こうした配分で、参画事業者が途中で予算を使い切ってしまい、割引での販売ができなくなってしまう懸念があがっている。

観光庁は、この懸念に対して「配分の考え方や段取りを事業に参加する事業者に丁寧に説明するとともに、特に中小の旅行会社や宿泊施設に対しては、配分のペースに合わせた計画的な予算の執行を個別に支援できる体制を整え、消費者を混乱させることのないよう事業を進めていく」と説明。販売形態ごとに次のような工夫をして、予算の執行を調整することが考えられるとしている。

リアルエージェント(店舗での旅行販売)

広告の出稿量と旅行商品の造成量をおさえて売上高を調整するとともに、顧客との直接のコミュニケーションを通して予算の執行を管理。 

旅行予約サイト(OTA)

売上高の目標に合わせて、インターネット広告等を展開。主に広告の出稿量を調整することで予算の執行を管理。 

宿泊施設

公式ウェブサイトでの予約については主に広告の出稿量の調整で、また電話予約などの場合は直接のコミュニケーションを通して予算の執行を管理。

このほか、予算が不足する場合においては、事業者ごとの個別の状況を踏まえ、次回の配分時期を調整するなど、事務局が柔軟な対応をすることで事業者の切れ目ない予算執行を支援していくと説明した。

なお、7月31日から実施している本申請については、昨年度のブロック別、月別販売実績と今年度のブロック別、月別販売計画等に基づき、本事業の予算額の一部を割り当て、仮給付枠とは別途、枠の配分を行うという。

仮給付申請者は、登録メールアドレスに送付される本申請の手続きに関する案内から本申請の画面で本申請の手続き進める。一方、仮給付申請を行っていない場合は、公式ホームページから本申請を行う。

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