郵船クルーズは、コロナ陽性者の乗船が確認されたことを受けて中止した、運航客船「飛鳥II」のクルーズについて、運航中止を判断した経緯を発表した。
同社では従来、日本外航客船協会(JOPA)の対策ガイドライン(国土交通省監修)をもとに策定した、独自の対策プラン「飛鳥II新型コロナウイルス感染症対策プラン」に沿って、クルーズを運航。このなかで「船内検査で感染(陽性)が確認された時点でクルーズを中止とし、速やかに下船港に向かう」としており、これに則って中止を決定した。
郵船クルーズによると、対策プランは「ウイルスを持ち込まないこと」「持ち込まれたとしても拡散させないこと」の2本柱で構成。今回のクルーズでは対策プランで定めた乗船前のPCR検査に加え、今般の感染状況を踏まえて乗船当日までの感染有無を発見する目的で、運航当日の乗船受付時にPCR検査を実施した。陽性が確認された乗客は、乗船前の検査では陰性だったが、乗船当日の検査で4月30日に陽性が判明した。
また、今回、陽性が確認された乗客の濃厚接触は同室者のみだった。これは、船内各施設で取得した乗客の行動記録と、管轄保健所による当該乗客へのインタビューの両方で確認したという。
対策プランでは「乗船条件と取消料」や「船内における衛生対応」、「乗組員の感染症対策」「有症者が発生した場合の対応」などを規定。感染(陽性)確認によってクルーズが途中で中止となった場合は、受領済代金と既航海期間の代金の差額を返金することも案内している。
なお、郵船クルーズは2021年5月に神戸港発で予定していた4本のクルーズについて、運航中止を決定。神戸市からの運航自粛要請を受けて決定した。