日本旅行業協会、ヨーロッパ旅行の促進に本腰、欧州観光委員会と共同プロモーション、より深い体験を提案

日本旅行業協会アウトバウンド促進協議会(JOTC)欧州部会は、ヨーロッパ観光委員会(ETC)および欧州観光委員会日本支部(ETCJ)との共同プロモーションを開始する。今後、ETCJとJOTC欧州部会との意見交換などを通じて、共同プロモーションに向けたフレームワークを構築していく。

写真:(左から)JATA海外旅行推進部副部長の阿部かすみ氏、ETC日本支部委員長の沼田晃一氏、フランス観光開発機構日本代表のジャン=クリストフ・アラン氏

ETC日本支部委員長の沼田晃一氏は、「日本の欧州旅行の回復は他国と比べて遅い。日本に観光局のない国のサポートも含めて、欧州全体で需要の回復を促進していく」と話し、JATAとの協業に意欲を示した。

また、フランス観光開発機構日本代表のジャン=クリストフ・アラン氏は、「国ごとのプロモーションが基本だが、欧州としてケース・バイ・ケースでダイナミックに取り組んでいく。リピーターに新しいコンテンツを提案するとともに、新しい若い世代の開拓にもつなげていきたい」と話した。

BtoB向けのプロモーションとしては、JOTC欧州部会が2019年から展開した「美味しいヨーロッパ100選」がコロナ禍で中断されていることから、再度「美味しいヨーロッパ」として再開させる。ETC加盟の16カ国が参加する予定。沼田氏は「新しいデスティネーション開拓も目的の一つ。より深い体験の演出が必要になってくる」との考えを示す。

このプロジェクトでは、各国の名物料理が旬な時期に周辺の観光地と一緒に楽しむ旅を提案することで、ヨーロッパ全域への旅行を促す。食だけでなく、文化、サステナビリティなども組み込むことで一歩踏み込んだ旅程を提案していく考えだ。

今年10月にJOTC欧州部会とETCJが対象エリアと食を選出したうえで、11月には発表する予定。共通のロゴを作り、選出された食を利用したツアーの造成を会員会社に働きかけていく。2025年には業界に加えて、一般消費者へのプロモーションも始める計画だ。

また、旅行業界向けには、今年9月にETCJとしては初の試みとなるフランスとフィンランドの2カ国合同の視察旅行を旅行会社向けに実施する。東京発と大阪発でJOTC会員のランドオペレーター2社と旅行会社4社が参加するという。

さらに、今年12月には、各国観光局とともに旅行会社向けの商談会も開催する予定だ。

ツーリズムEXPOジャパンではさまざまな仕掛け

BtoCへのアプローチでは9月26日から開催される「ツーリズムEXPOジャパン2024」を需要回復への機会として捉えていく。EXPOには、ETC加盟19カ国がブースを出展する予定。各国の最新情報などを発信するほか、各国のブースを巡るスタンプラリー「ヨーロッパへ行こう(仮)」も実施。さらに、ETCのパピリオンでは、食と文化に焦点を当てたクイズショーを展開する。

また、EXPOにはETCエクゼクティブディレクター・CEOエドゥアルド・サンタンデール氏が来日し、基調パネルディスカッションに参加する予定だ。

このほか、旅行会社とタッグを組んで、一般消費者へのリーチも強化。「欧州の多様性をテーマごとに訴求し、消費者の好奇心を刺激していく」(沼田氏)。8月中には10ほどの訴求テーマを公表する。

JATA海外旅行推進部副部長の阿部かすみ氏は、ETCJとの共同プロモーションについて、「欧州の復活なくして、海外旅行の復活はありえない。欧州の完全復活に向けて、JATAとしてもしっかり取り組んでいく」と強調した。

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