関東に点在する観光資源をまとめて売り込む「江戸街道」とは? 東京起点の広域周遊プロジェクトを聞いてきた

国土交通省関東運輸局は、「江戸街道プロジェクト」の一環として、2024年11月16日と17日に日本橋で地域PR物産展「江戸街道ぶらり旅~ご当地名物 集めました!~」を開催した。会場では、東京都、埼玉県、千葉県、福島県、栃木県、群馬県、長野県など広域関東エリアの地域産品の展示・販売がおこなわれたほか、盆栽作り体験や地域の魅力を発信するイベントなども開かれた。

「江戸街道プロジェクト」とは、日本橋を起点とする五街道(東海道・日光街道・奥州街道・中山道・甲州街道)と、その枝道である脇往還(水戸街道や成田街道など)沿いに点在する食や文化、歴史的観光資源を「江戸街道」という統一テーマでブランディングし、国内外への情報発信や誘客につなげる取り組み。

このプロジェクトは、2022年5月に立ち上げられ、これまでは、セミナーやシンポジウムなどを通じて事業者、自治体、DMOなど関係者向けに機運の醸成を進めてきた。今後は一般消費者向けのプロモーションを強化していく。今回の地域PR物産展はそのキックオフイベントとして位置付けられた。

関東運輸局観光部長の近藤光則氏は、このプロジェクト立ち上げの狙いについて、「観光エリアには、さまざまな魅力的な観光資源があるが、点在していることから、連携してPRに取り組み、周遊を進めていく」と説明する。

街道沿いには、歴史、文化、食などさまざまな魅力が多いことから、「それを活かさない手はない」と近藤氏。さらに、街道だけでなく、そこから分岐する道なども含めて幅広くプロモーションを展開していきたいと意欲を示した。

さらに、このプロジェクトは、東京起点に関東広域へ誘客する取り組みにもなることから、「国の観光施策の一つである観光の分散化にも貢献できる」と話す。

今後は、プロジェクトに賛同する自治体やDMOなどの関係者をさらに募っていくほか、消費者向けにさまざまなイベントを企画し、関東を含めた国内だけでなく、日本政府観光局(JNTO)との連携で、特に江戸文化に関心の高い欧米豪を中心とした訪日旅行客向けへの訴求も強めていく考えだ。

関東運輸局の近藤観光部長

2027年の「GREEN×EXPO2027」との連携も

このほか、2027年に横浜市で開催される「GREEN×EXPO2027(2027年国際園芸博覧会)」との連携も深めていく。国際園芸博覧会が日本で開催されるのは、1990年の「大阪花の万博」以来37年ぶりとなる。

約100ヘクタールの広大なエリアに、世界70カ国から1000万株の花草木が揃い、日本庭園を含めさまざまな国の庭園が楽しめるという。また、食と農の体験、学びとエンターテイメント、カーボンニュートラル社会に貢献する最先端テクノロジーなども展示される計画だ。開催は2027年3月19日~9月26日まで。

近藤氏は「GREEN×EXPOには海外からも多くの来訪者が予想されるため、そこから江戸街道を巡りながら関東周辺への周遊に繋げていければ」と期待を込めた。

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