
エア・カナダは、2025年3月から日本/カナダ間のビジネスクラスにあたるシグネチャークラスで、ミシュラン星付きレストランのシェフ橋本昌樹氏が監修する日本食メニューを提供開始した。近年、同社が進めてきた機内・地上での顧客体験向上への取り組みの一環。本格的な日本料理を機内で提供することで、日本人、北米、アジアからの乗り継ぎの旅客にワンランク上の価値提供を図る。
メニューを監修する橋本氏は、トロントを拠点に、カナダで数少ない懐石料理専門店「Kaiseki Yu-zen Hashimoto(懐石遊膳橋本)」のオーナーシェフ。エア・カナダの有名シェフとのコラボレーションによる機内食の提供は、フレンチ、インド料理に続くものだという。
このほど都内で開催された試食会で、マーケティング・デジタル担当副社長のマーク・ナソー氏は、今後も空港ラウンジや、座席、機内食、Wi-Fiサービスなどの機内サービスのアップグレードをしてく計画と方針を説明。なかでも「クオリティ向上に欠かせない体験として機内食にこだわる」考えを示し、需要が高まる日本路線で本格的な日本食を投入することに自信をみせた。
アジア・太平洋地区総括支社長のワイス貴代氏は、日本人の米国行き、カナダからのアジア各地域への旅客需要の高まりで、日本路線がアジアの重要なハブとなっている状況を説明。シグネチャークラスで本格的な日本料理の提供することで、旅客の期待に応える。
左からワイス氏、橋本氏、マーク氏
日本酒や食器にもこだわり
橋本シェフが手がける特別料理は、日本/カナダ間のビジネスクラスに当たるシグネチャークラスで提供。前菜に「きんぴら蓮根」、小鉢に「ゴマ豆腐わさびソース添え」、主菜に「豆腐、ねぎ、白菜と共に煮込んだ牛すき焼きの紅生姜添え」など、年間を通じて6種類の料理を提供する。料理と共にこだわった日本酒については、人気酒造のゴールド人気純米大吟醸を採用した。2025年春からは、日本の食器メーカー「ノリタケ」とも提携する。
橋本シェフは「機内で本格的な和食を提供することは長年の夢だった。日本とカナダの豊かな文化の架け橋となりたい」などとコメントしている。