日本旅行業協会(JATA)の旅行市場動向調査(2014年9月期)で、2014年7月~9月の海外旅行全般の業況感が-21となり、3か月前より2ポイント改善した。ただし、3か月前の見通し-12にはならなかったが、緩やかな回復基調が続いている。
方面別ではヨーロッパが-11(1ポイント増)と微増した以外は、前回と同じまたは微減。夏休みの人気旅行先であるハワイは-6(2ポイント減)やミクロネシアは-32(4ポイント減)なども減少となった。欧州はシニアを中心に比較的伸びたが、アジア、特に中国、韓国の個人旅行はまだ回復していないという声も聞かれた。
客層別では商用・視察が-9(7ポイント増)で大きく伸び、シニア(1ポイント減)と並んだ。また、夏休みのファミリーも-24(7ポイント増)と増加したほか、インセンティブも-28(3ポイント増)で増えた。シニアと商用・視察が並ぶのは2008年9月期以来のこと。3か月後も商用・視察は-7(1ポイント増)、インセンティブは-25(3ポイント増)とプラスの見通しで、特にビジネス需要が上向きになっている。旅行会社からも、個人旅行の下降に対し、業務渡航は好調に推移しているとのコメントもあった。
3か月後は-21で現況と変わらない見通し。中国、韓国のほかタイへの低迷の影響が続き、長距離方面は円安と燃油高騰の影響が大きいため、しばらく回復が難しいのではと展望するコメントもあった。一方で、数年ぶりに社員旅行を復活した企業が増えたとする旅行会社もあった。
調査は2014年8月7日~8月28日まで、JATA会員各社の経営者などを対象にインターネットで実施。605社のうち321社から回答があった。
(トラベルボイス編集部)