帝国データバンクは、日本国内の中堅、新興およびLCC航空会社の経営実態調査を実施した。それによると、2013年度の業績では、日本航空(JAL/JL)と全日空(ANA/NH)をのぞく、中堅および新興航空会社のほとんどが前年度比で増収となったものの、新興航空会社はLCCの参入により収益が悪化した実態が分かった。
2013 年度の収入高は、前期と比較可能な15社を見ると、増収は日本トランスオーシャン航空をのぞく14社(構成比 93.3%)となり、全体の9割超を占めた。2013年度は、ビジネス・レジャー需要や、訪日外国人旅行客の増加によって、国内・国際線ともに旅客数が 2 年連続で前年を上回る実績となった。
また、LCC3社をのぞく中堅・新興航空会社15社で比較すると、2013年度の収入高合計は前年度比7.4%増の 4963億6000万円となり、2期連続で増収となった。
▼新興航空会社: スターフライヤー、スカイネットアジア、スカイマーク、エアドゥ
新興航空会社4社の収入高をみると、4社ともに2期連続の増収。なかでも全日空系のスターフライヤーとスカイネットアジア航空は、運行路線の組み替えやコードシェア(共同運航)の拡大で前期比2桁の増加となった。しかし、スターフライヤーは、LCCの参入で収益は悪化。2013年度は赤字に転落した。
一方、独立路線を歩むスカイマークは、機材を増加し、路線の拡充や増便で事業拡大を図ったものの、航空機材費や円安による燃料費の負担が重く、2013年度は2008年度以来の赤字に転落。さらに、路線を拡大するLCCとの競合で乗客数が減少、厳しい営業展開を余儀なくされた。
▼LCC3社: ピーチ、バニラ、ジェットスター
LCC3社の比較では、3社間で格差が広がっている実態が浮かび上がる。2013年度の収入高を比較すると、ピーチ・アビエーションは、同112.7%増の約305億9500万円となった。当期純利益は約10億4600万円を計上しており、3社のなかで唯一黒字化を達成。
一方、ジェットスター・ジャパンは、収入高約128億1900万円を計上するも、燃料費の高騰や、トラブルで約88億3400万円の欠損計上を強いられた。2013年12月から運航を開始したバニラ・エアの収入高は約65億9100万円。損益面では、航空機の調達などで売上原価がかさみ、当期純損失は60億500万円を計上した。