スポーツ観戦を目的とした旅行者、開催地「+1(プラスワン)観光」で経済効果、国際観戦に積極的なのはカナダ・ドイツ・フランス

エクスペディア・グループは、スポーツツーリズムの世界的な成長を示す調査結果を発表した。スポーツイベントを目的とした旅行者の44%が国際的なスポーツイベントを観戦するために海外へ渡航、そのうち5人に3人が開催都市以外に宿泊し、旅行の平均支出額は1人あたり約22万5000円(1500ドル)に上るという。同グループは、スポーツツーリズムの拡大が旅行のあり方を大きく変え、新たな市場開拓や若年層へのアプローチを強化するビジネスチャンスをもたらすとみている。

この調査は、Censuswide(センサスワイド)社が過去12カ月以内にスポーツイベントのために旅行したオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、日本、メキシコ、米国、英国の2000名を対象に実施し、2月4~7日にデータを収集した。

スポーツをはじめとする文化的なイベントは、観光産業にとって大きなビジネスチャンスをもたらす一方で、戦略的な価格設定が求められる局面もある。特に、需要が集中する時期には、稼働率やキャンセル率の上昇といったリスクを回避するための対策が不可欠だ。

5人に3人が開催都市以外に宿泊

UNツーリズムによると、スポーツツーリズムは世界の観光支出の10%を占めており、2032年に1.3兆ドル(195兆円)に達する見込み。調査対象のスポーツイベントに参加した旅行者のうち44%が海外に旅行し、16~34歳の若年層では56%に上る。特に、カナダ(62%)、ドイツ(58%)、フランス(57%)の旅行者は国際的な観戦を積極的に楽しむ傾向が高い。

開催地にとどまらず、周辺地域への経済効果も大きい。調査では、5人に3人がイベント開催地以外にも滞在し、そのうち約3 分の1が近隣の主要観光地を訪れ、20%が開催地から1時間以上離れた都市を選び、さらに20%があまり知られていない近郊エリアを訪問しているというデータを示した。

日本人旅行者をみると、観戦のために渡航し、宿泊を伴った場合の平均支出額は約24万1000円(約1550ドル)。多くがすでに次回の旅行に向けた予算を確保しており、平均約18万円(1200ドル)以上を支出する見込み。78%が今後12か月以内にスポーツイベントを目的とした旅行を計画しており、そのうち64%は2 回以上を予定している。最も人気が高いのは野球(26%)で、サッカー(21%)、ゴルフトーナメント(9%)が続いた。

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