世界の海外旅行支出額、2025年は過去最高の307兆円に、10年後の2035年は37%増423兆円の予測 —世界旅行ツーリズム協議会

世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は、2025年経済影響調査(EIR)のなかで、世界の海外旅行者の支出額が2025年に過去最高の2兆1000億ドル(約307兆円)に達するとの予測を明らかにした。これまでの過去最高は、2019年の1兆9000億ドル(約279兆円)だった。

2025年の観光産業による世界経済への貢献額も過去最高の11兆7000億ドル(約1708兆円)に達し、世界のGDPの10.3%を占めると予測。雇用も1400万人増加し、3億7100万人に達すると見込む。

そのなかでも、WTTCは、国によって回復率は依然としてばらつきがあり、一部の国や地域では記録的な数字を達成する一方で、他の主要経済国では停滞が続くと見ている。

世界最大の市場である米国では、2024年の海外旅行者支出額は2019年の水準を大幅に下回っており、今年中に完全に回復するとは見られていない。また、中国では、2024年に海外旅行者支出額はパンデミック前の水準を上回ったものの、2025年には成長が急激に鈍化すると予想されている。

対照的に、2030年までに観光分野で8000億ドル(約117兆円)を投入する予定のサウジアラビアなどの国は有望と分析。また、訪問者数で世界トップ2の旅行先であるフランスやスペインを含めた欧州諸国は、継続的な投資と世界的な魅力を背景に、引き続きこの地域の復興を牽引していくとしている。

2024年の実績、10年後の見通し

2024年を振り返ると、世界経済への貢献額は世界のGDPの10%を占める10兆9000億ドル(約1590兆円)に達すると予想されている。雇用も6.2%増加し、3億5700万人に達し、世界の雇用の10分の1を占めることになる。

海外旅行支出額は前年比12%増の約1兆8700億ドル(約272兆円)、国内旅行支出額も同5.4%増の5兆3000億ドル(約774兆円)に達する見込み。

また、WTTCは、2035年までに海外旅行支出額が年平均成長率(CAGR)3.4%の2兆9000億ドル(約423兆円)に達し、国内旅行支出額もCAGR3.3%、7兆7000億ドル(約1124兆円)に達すると予想している。

※「海外旅行」の表現は、海を渡る国境越えだけでなく、欧州のように陸続きでの場合も含め、日本語としての国境を超える旅行の通念的な表現として用いています。

※ドル円換算は1ドル146円でトラベルボイス編集部が算出

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