イオンモールとヤマハは、音のユニバーサルデザイン化支援システム「おもてなしガイド」を活用し、日本語のアナウンスの聞き取りが困難な客層を想定した、インバウンドとバリアフリー対策の実証実験を実施する。
従来の対応は数か国語でのアナウンスや字幕表示等が多く、時間や費用、スペースに制約がある上、日本人健常者の利便性を低下する可能性もあった。しかし「おもてなしガイド」では利用者のスマートフォンを活用し、ユニバーサルデザインに対応。ダウンロードした「おもてなしガイドアプリ」に、日本語の音声アナウンスを各言語の文字情報に変換して表示する。インターネットの有無に関係なく使用できるのもポイント。
今回の実証実験では一般来店客に参加してもらい、参加者の声をもとにサービス本格化に向けた機能や利便性の向上を図る。また、外国人や聴覚障がい者の来店客を対象にしたタッチ&トライ方式での定性調査も実施。利用者の行動パターンも検証する。
実証実験は2015年5月1日~9月末まで、旗艦店の「イオンモール幕張新都心」と「イオンモール成田」の2店舗で実施。対応言語は、幕張新都心店では日本語と英語、中国語、成田店では日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語を用意する。iOS版は無料ダウンロードを開始しており、Android版は7月に配信する予定だ。
「おもてなしガイド」はヤマハが開発したもので、商業施設への導入は今回が初めて。イオンモールでは地域特性のあわせたユニバーサルデザインの導入を推進しており、「おもてなしガイド」に対しては国内外の来店客にストレスなく買い物ができる空間の提供を期待している。