東京商工会議所、観光政策の意見書で5つの柱をまとめ、観光まちづくりや外国人受入れの環境整備など

東京商工会議所は、2015年7月9日に開催した常議員会で、観光・まちづくり委員会がとりまとめた「世界に冠たる観光都市・東京を実現するための観光政策に関する意見書」を決議した。2020年の東京オリンピック・パラリンピックイヤーを契機として国際観光都市・東京を実現、それ以降も持続的に発展する都市づくりを目指す施策を「5つの柱」として提唱するもの。

重点的に取り組むべき事項として掲げられた「5つの柱」は以下のとおり。

  1. 東京の魅力向上につながる観光まちづくりの推進
  2. 観光を通じた地域産業の育成とイノベーションの促進
  3. 観光都市の持続的な発展に資する観光地経営の推進
  4. 訪日外国人旅行者受け入れ促進のための環境整備
  5. 人の移動と交流を活発化させるインフラの整備

「1. 東京の魅力向上につながる観光まちづくりの推進」では、旅行者が「住んでみたい」と思うような街づくりを図る必要があるとし、歩行者空間の整備やバリアフリー化の促進の必要性を提唱。「上野文化の杜構想」といった文化プログラムを推進するほか、歴史的建造物や空き建築物の地域観光資源化を狙うとする。

「2. 観光を通じた地域産業の育成とイノベーションの促進」では、異業種連携によるサービスや商品の整備、観光人材の育成を扱う。さらに、地域特性や規制緩和策の活用による旅行商品開発なども対象としている。

「3. 観光都市の持続的な発展に資する観光地経営の推進」では、観光財源や推進体制の確保を含めた観光都市経営を重視。その他、旅行などを通じた東日本大震災被災地への復興促進や、災害時の危機管理体制面も含めた。

「4. 訪日外国人旅行者受け入れ促進のための環境整備」では、小売店舗に対する訪日旅行者受け入れの基礎インフラに免税サービスを位置づける。同時に、情報通信技術面で無料Wi-Fiサービスやアプリの多言語化も含むとしている。

「5. 人の移動と交流を活発化させるインフラの整備」では、空港や港湾、ターミナル駅などを想定した機能強化や情報提供の充実、また、交通系ICカードの活用も提唱。さらに、大規模MICEのニーズに対応するための施設整備やそのための税制措置の検討も行うものとする。

また、意見書ではこれら「5つの柱」 の推進にあたって考慮すべき視点として、(1)国内外の相互交流促進、(2)オリンピック・パラリンピックレガシーの創造、(3)都・国・他自治体・民間事業者間のさらなる連携強化、(4)規制・制度改革の推進、の4項目を設定。必要となる政策を提起する内容となっている。



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