帝国データバンクが遊園地とテーマパークの経営企業163社を対象に実施した実態調査で、2014年の収入高合計は前年比9.4%増の約9461億3000万円となることがわかった。
企業別にみた収入高は「東京ディズニーランド」が前年比17.9%増の4025億600万円で圧倒的1位。2位は大阪の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(前年比16.8%増の約959億円)、3位「東京ドームシティ」(前年比3.9%増、592億5600万円)。伸び率では長崎「ハウステンボス」が前年比21.4%増の大幅増収を記録、前年9位から6位にランクアップした。
マーケット全体の傾向 ―黒字企業が全体の約7割、収入規模が大きいほど増収に
この調査は、2015年6月末時点の企業概要データベース「COSMOS2」に登録されている146万社および公開情報から遊園地・テーマパーク経営企業を選定、さらに2012~2014年(1~12月期決算)の3期連続で収入高が163社を抽出して分析したもの。
増収となった企業は約半数(49.1%)の80社で前年比1.8ポイント減少、減収となった企業は全体の約1/4(24.5%)の40社で、前年比6.8ポイント減少となっている。
また、2期連続で損益が判明している103社について分析したところ、2014年の黒字企業は77社(全体構成比74.8%)で、そのうち67社(65.0%)が2期連続で黒字決算を迎えていることがわかった。
収入規模別では、収入高「100億円以上」の大規模企業(計12社)では75%が増収を記録している一方で、「1億円未満」の小規模企業(105社)では16.0%のみが増収、「横ばい」が68.0%と大多数を占める。同社の分析では、収入規模が大きいほど設備投資やイベント開催といった集客施策を展開しやすい状況がみられるとしている。
企業別の収入高ランキング ―上位2社で全体収入の5割以上に
企業別にみると、1位「東京ディズニーランド」と2位「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」で全体の52.6%を占める状況となった。ディズニーランドが2位以下に大きな差をつけている一方で、2位「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」は2014年度の入場者数が1270万人で開業初年度以来13年ぶりに最高を記録。2015年の収入高が前年比44.5%増の大幅増となることも判明している。
また、6位にランクアップしたハウステンボスは、2015年9月期第2四半期時点の入場者160万2000人(前年比6.7%増)のうち、海外からの来場者が11万4000人(前年比11.5%増)を占めた。2015年には「健康と美の王国」プレオープンや「変なホテル」の開業予定もあり、独自性を生かした話題づくりが今後も功を奏するとみられている。
企業別のランキングトップ20は以下のとおり。
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