経済産業省は東証上場企業のなかから、ITを戦略的に活用する企業のうち、ROE(自己資本利益率)が8%以上の収益力の高い企業について、その取り組み状況の特徴を発表した。これは、経済産業省が5月に選定した「攻めのIT経営銘柄」18社を分析した結果として公表するもの。
具体的には大きく分けて、以下の3つ。
- 経営トップは、社内で最もITに関心及び知見のある者の一人(42.3%、※8%未満の企業:21.0%)
- 事業部門にIT人材を配置(42.9%、※同27.7%)
- 株主等に対し、積極的にITに関する取り組みを説明(42.9%、※23.4%)
このほか、ITを活用した事業革新のために「IT人材の育成計画を策定・または実施中」との回答は71.8%(※同:52.2%)、「情報セキュリティリスクに関し、経営トップと経営層が定期的を協議する場があり、役員レベルでの責任者を明確化」は82.9%(※同:55.9%)と高い。
また、3年間の平均ROEが業種平均を超える企業は、IT活用の事業革新のための「IT投資を5年以上前から実施」が64.5%に及んだ。以上のことから、IT活用に対する経営者のリーダーシップが発揮され、IT投資と経営レベルでの組織的取り組みが一体的に実施されていることで、IT活用による収益力強化が実現したと分析している。
なお、今回指標としたROE8%は、グローバルな投資家から認められる第一ステップとして達成が期待されている最低限の数値といわれている。また、「攻めのIT経営銘柄」とは、経済産業省が国内企業の戦略的IT利活用の促進に向けた取り組みの一環として、業種区分ごとに選定したもの。詳細は経済産業省のホームページへ。